のらねこ日記いきもの編イモリ
高校の生物部は、研究対象の生き物別に班が分かれていて、私が所属したプラナリア班の他に、ハツカネズミ班、ハムスター班、ダンゴムシ班、ゴキブリ班、コクゾウムシ班、魚類班、イモリ班がありました。
(ウサギとモルモットはマスコット部門)
で、今回はイモリさんのお話です。
イモリとヤモリ。よく混同している人も多いですが、イモリは、カエルと同じ両生類で、水の中にいます。
一方、ヤモリはトカゲと同じ爬虫類で陸にすんでいます。
生物部で飼育していたのは、よくいるアカハライモリさんで、お腹がとっても鮮やかな赤、個人的にはカエルさんよりはスキでした。
ある日、ヤモリさんが脱皮していました。うすーい白い皮がピラピラと体に一部くっついていて、ヤモリさんは、はがれた自分の皮を食べているようでした。
よく水槽の中を観察していると、小さな手袋が水中を、漂っていました。
イモリさんの脱皮した手の皮でした。
そっと口径の大きいスポイドで吸い上げて、シャーレの中に出してみると、ちゃんと指の先の形までわかる、まさに『イモリさんの手袋』でした。
文化祭のシーズンになると、研究発表のため、イモリさんも実験に参加することになりました。
水槽の中にアクリル板を入れて仕切り、ポンプをつけて水を循環させ、流れるプールのようにしました。
これで、イモリさんが水流に対してどのように泳ぐかを観察することが目的でしたが、ポンプのスイッチをオンして、イモリさんを投入すると、水流が強すぎたのか、イモリさんは、洗濯機の中のように、くるくると流されてしまいました。
なにせ、手作り装置なので、パワーを調整することができず、どうしようかと、部員たちが思案していると、流されていたイモリさんの姿が見えなくなりました。
よくみると、イモリさんはポンプの水の出口の真下、水の流れがよどんだところの石につかまり、避難していました。(意外と頭がよいかも)
もちろん、この実験は中止となり、イモリさんには、平穏なくらしが戻りました。