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順番に考える
『君はどう生きるか』感想日記
最近この本を手に取る機会があり、教育現場で考えるべきことが多く詰まっていると感じました。そこで、この本を通じて得た気づきや感想を少しずつ書き綴っています。
なんと第5弾。今年は「自分の考えを言語化する」を目標にしているので、いい調子で進んでいます。
順番に考える
子供の話を聞いていると、話題があっちこっちに飛ぶことがよくあります。頭の中に浮かんだことをそのまま順に話しているのでしょうが、これを解読していくのはなかなか困難で、私は時々探偵になった気分で耳を傾けることもありました。
著書では「考える」ことについて、ただ考えるのではなく、「順番に考える」ということの大切さが述べられています。
ぼくはよく,ジャンケンのパーの形に広げた手の指を使って,このことを説明します。「今からやるのはサッカーかゲームか」というのは,例えば,広げた手の人差し指の指先,爪の部分の話題だと考えてみます。
次に,誰がサッカーをしたくて,誰がゲームをしたいのか,それはどうしてなのか,ということを話し合うのは,人差し指の爪の少し下,第一関節の部分の話題になります。
次に,サッカーができない体調の人がいるかどうか,ゲームがすっごく嫌いな人がいるかどうか,という話題は,人差し指の第二間接に下りてきた話題です。
こうやって,順番に考えながら,対話を深めていくと,結論にたどり着きやすいのです。
頭の中を抜き出し、組み立て、整理する
この文章を読んだ時に真っ先に頭に浮かんだのが「QNKS」という思考のプロセスでした。このプロセスでは、次の手順を踏んでいきます。
・Q(Question):話すテーマを見つける
・N(Nukidasi):話したいことを抜き出す
・K(Kumitate):どの順番に話すか組み立て
・S(Seiri):相手に伝える
著書の中で手の指を使った説明は、この「QNKS」を可視化しやすくするための工夫なのだと感じました。
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この思考のサイクルの元になった「QNKS思考法」についてはこちらから…
子ども達の話を聞く時にも、紙や付箋などに情報を書き出し、組み立て、整理しながら聞いてあげたり、逆に子供達に情報を事前に抜き出してもらってみたりして「何の話を伝えたいのか」を明確にしながら話をしています。
このような方法で、子どもたちが「順番に考える」感覚を身につければ、話すスキルだけでなく、物事を深く考える力を養うこともできるのではないかと思います。
余談:学級での実践
私の学級でもQNKS(思考のプロセス)を使った「考えること」の実践をしていますが、課題となっているのは「何を問われているかわからない」ということ。
人数について問われているのに、「⚪︎個」と答えてみたり、記号で答える問題を言葉で書いてみたり…。これは言わば「Q(問い)」を見つけるのにつまづいている状態でした。
そこで、学期初めには「Qの見つけ方」を指導することを意識しながら授業を進めてきました。この取り組みについては、また別の機会に詳しく書きたいと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。