見出し画像

SLAM DUNKと煩悩即菩提 ~辛さを超えて~

20年以上まえ、フィリピンを訪ねた…
道々で“Sakuragi”と叫ぶ高校生がいた
 “Sakuragiはどういう意味⁉ タガログ語?”と返すと
若者たちは、爆笑しながら“SLAM DUNK”とバスケの恰好で応えた
「あ~、桜木花道か」と日本アニメがフィリピンで大人気だと知った
嬉しかった(^^♪

2022年12月「THE FIRST SLAM DUNK」が公開。
2023年の映画興行収入トップは、
158億7千万円で「THE FIRST SLAM DUNK」である。

国民&世界的人気漫画を生んだ、原作者の井上雄彦さんは、
キャラクターの魅力を引き出す秘密をこう明かす
それは…
「登場人物すべてに、かならず1つ欠点を作ること…」

主人公たちは、バスケ経験ゼロ、ディフェンスに難あり、
身長が低い、体力が無い、顔がゴリラ似…と
オールマイティーなプレイヤーはいない
しかし互いの秀でる能力を信じ、欠点をカバーしあい優勝を目指す!

最初はモノトーンの彼らが、しだいに真っ赤に燃える戦士となり
One Teamとなる…
そして、選手たちの躍動を湘北応援団の視聴者が…
SLAM DUNKが決まるたびに!
こぶしを突きあげ、雄叫(たけ)びを上げた‼+.゚.( °∀°)゚+.゚。

大乗仏教には「煩悩即菩提」という哲理がある
煩悩は三毒(貪瞋痴)ともいい、人間にとっての心の欠点といえる
しかし、互いに欠点があるから、
その痛みに苦しむ人へ心を寄せ、許し合える…
そして、菩提という向上心を信じるのだ

一人の親孝行の娘さんがいた
電話が鳴るたびに母親の介護へ駆け付けた
しかし、娘さん本人が病気で入院…
介護ができない悲しさ、病気の辛さ、未来への不安…

ある方が、そっと彼女に言った
「いままで、頑張ってきたんだね」
「いい患者さんになりなさい」
彼女は「いい患者さん?」と応えると…

「辛いときは、叫べばいいの」
「泣きたいときは、泣いていいよ」の言葉
気丈な彼女の頬に光るものが流れた…

人間は、生老病死の四苦から逃れられない
それは、毛髪や肌の張りの欠落を意味し
健康から見放され、最後は「生きる」ことと決別する

手相家でもある芸能人・島田秀平さんは言う
「欠点は、人間にとって掛(欠)け替えのない点だよ」と…
きっと、島田さんのような真実を見続ける方がいうのだろう

「泣きたいときは、泣いていいよ」と
明日へと誘(いざな)う言の葉を… 九拝 龍

《参考》
湘北:『SLAM DUNK』に登場する学校。湘北高等学校。


いいなと思ったら応援しよう!