すべては直取引になる
あんまりこういうインサイトを書くのは利益相反行為かもしれないからダメなんだけど、考え方を広めることでより多くの価値が生まれそうなので書くことにする。
タイトルの通り、IT化で、すべての取引が直接になる(直接に戻る)と考えてる。
すごい当たり前の話だと思うけど、今あらゆる業界で起きてるor起きたことだけど、これにフォーカスして語っている記事を見たことがない気がする。
顧客志向とはなにか?でバリューチェーンの構造的問題について見たけど、その構造的問題がどう解決されていくべきか?というと直取引だと思っている。
太古の昔、直取引に経済合理性がなかったので(信用と情報流通の問題)中間業者が補完的な役割として増えたけど、ITテクノロジーで直取引が実現可能になってきたのではないかというのが歴史的なストーリーだと思う。
バルクオムを筆頭にD2CブランドはITテクノロジーで信用も情報流通も自分たちでハードルを超えられるようになった。
直取引になると仮定すると、メディアがどういうポジションを取らないといけないかというと、広告宣伝費からIT予算とデータシェアを取りに行かないといけないのです。
広告宣伝費からIT予算とデータシェアへ
これまでメディアはクライアントの広告宣伝費(年約6兆円)が売上だったけれど、直取引が進む社会で一番価値を発揮できるのは集客のSaaS化とデータシェア競争の2つになります。
シンプルに広告宣伝費からIT予算(年約6兆→2024年には6.5兆)は集客の効率化のためにAIを使って高効率のマッチングを実現する必要があり、そのAIをみんなが使えるようにするのがSaaS(サービス化)になります。
そのAIの前提になるのが顧客行動データです。石油と同じでシェアが高ければサウジアラビアのように価格コントロール能力があり、マーケットの支配力があるようにデータシェアがAIの能力、サービスの価値を高めるのでデータシェア競争の時代に入ります。
すべてのマッチングデータと行動データ、顧客属性データを持っている企業・業態ほど高精度にマッチングすることが可能になるという市場競争に変化している過渡期だと考えています。
データシェア競争でシェアを高めるには?
・バーティカル、専門になること
・Webマーケティングのすべてのチャネルで勝つ
・リアル店舗とマス広告、オンラインと統合
・最終成果から報酬をいただくこと
・圧倒的なUXを実現するテクノロジー企業になること
さて、このシェア獲得競争に既存媒体がピボットできるかというと、結構難しいのが2つあります。
・最終成果から報酬をいただくこと
・圧倒的なUXを実現するテクノロジー企業になること
だいたいのメディアは広告費として売上を立てているので最終成果にコミットをあまりしません。最終成果にコミットして、実際に高精度にマッチングできるプレイヤーが出てこなかったというのが筋で、テクノロジーの進化によってプレイヤーが出てきていますよね?
合わせて、テクノロジー企業に企業が変化するのは極めて難しく、最初からテクノロジー企業で採用していくのとは訳が違います。
そういった理由で、競争のパラダイムが変化して、適応したものだけが勝ち残っていくのだろうと思います。
すべては直取引になる
その中でメディアはどう適応すべきか?
僕は「集客のSaaS化」だと思います。
追記
最近アリババがC2M戦略を打ち出して腹落ち感があった。
C2Mとは、Customer to Manufacturerの略のことで、詳しい解説はこの記事が詳しく説明している。
SPAやD2Cも在庫の問題があった。
C2Mは受注生産・テクノロジーによる短納期無在庫販売だから、浮いたコストを消費者に還元できる(価格競争力がある)ことにメリットがある。
アリババのテクノロジーはトランザクションデータを元にした需要予測やロジの最適化などデータが根本にある。
Webメディアの場合は少し課題も解決も違うが、テクノロジーはデータが主戦場になっていることに間違いはなさそうである。