深夜2時の出来事
私には3歳の娘と、生後3ヶ月の息子がいる。
息子はまだ夜通し寝ることができないので、
1、2回目を覚ましそのたびに授乳する。
泣いて目を覚ますのではなく、
ゴソゴソと頭を左右に動かし「ふぇっ、ふぇ…」と声を上げるのみなので、
眠りの深い私がそれだけのサインで起きることができるなんて、自分が母なんだと改めて感じる。
(息子は頭を左右に動かしすぎて一部禿げている。
それもまたこの月齢ならではで愛おしい。)
寝ている間、我が家は暖房を切っているので
起き上がるとヒヤッとする。
だけど息子を抱きながら授乳を始めるとお腹がじんわりと温かい。
赤ちゃんはバンザイして寝ていることも多々あり、
手は冷えているので私の手で包み込みながら温ためる。
夢と現の微睡みの中で息子の体温を感じながら過ごす授乳は心地よい時間で、2人目育児にして楽しめている。(無論、眠くて仕方ない日もある)
そんなある日の深夜2時。
その日は息子のサインではなく、
寝ぼけた娘からぎゅっと抱きつかれて私は目覚めた。
「娘、少し眠りが浅いのかな。」と私も抱き返しつつ、
「このタイミングで息子が目を覚まさないといいけど…。」なんて思っていると予感的中。
息子が頭をゴソゴソと左右に動かし始めた。
―泣き出す前に授乳しなくちゃ―
私は一度、娘をぎゅっと強く抱きしめて離れ、
息子に授乳を始めた。
娘は私が離れたことに気づき、寝ぼけながら泣いている。
そうだよね、昼間 弟に授乳するのだって我慢しているのに、
こんな時も弟優先にされたら泣いちゃうよね。
いつも息子の世話をするとき、
娘には「ごめんね」より「ありがとう」と伝えているが、
この時ばかりは「ごめんね、ごめんね…」と言葉が溢れてしまった。
半分ずつ抱っこ(左に娘、右に息子)しようと提案しても、
寝ぼけている娘に言葉は届かない。
息子に飲ませつつ、もう片方の腕で娘を抱きしめた。
夫も娘の泣き声を聞き目を覚まし、
娘を抱き寄せ、なだめてくれている。
だけど娘は泣いている。
息子はいつも通り飲んでいる。
息子の授乳を終えて、「おまたせ」と
娘を引き寄せぎゅっと抱きしめた。
娘の身体は力が抜け、また深い眠りに戻っていった。
私は娘も息子も同じくらい大切だけど、
時折、どちらかを優先せざる得ない状況に胸が痛む。
今回我慢したのは娘だったが、
息子が泣いていて娘の対応を優先することもある。
その度に2人育児における自分の対応がベストなのか自問する。
自信をなくす日もある。
だけどどんなに自信をなくしても
私は2人の子を育てていかなければいけないし、
何より大切な存在であることに変わりない。
大切に思っている故、これだけ悩むのだ。
これだけ考えているのだから私自身、ベストを尽くしていると思い直す。
(こういうところ、我ながら楽天家。)
くよくよ悩むより、子どもたちに愛情を伝えていく方がいい。
そうは言ってもまた悩むだろうけど、
振り返ったとき「そんなこともあったね」と笑えるように、
日々を過ごしていきたい。