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休職日記30│12/1・美しい風景と、自分を褒めること
12月1日(日・30日目)
この日記は、適応障害を起こして休職中の発達障害当事者が日々のできごとを書き残し、似た環境の方のお役に立つかもしれないボトルメールをnoteの海に流しているものです。
特性と向き合う様子など、発達特有の日常から読者の方に得るものがあれば嬉しいです。
睡眠に不安がありすぎる
5時半に起きる。
たぶん、キューピーコーワヒーリングは効いてはいる。
私の深刻な不眠への効果が限界に達しているだけで、抜いたら『失って初めて気づく』ものになるに違いない。
けれども、今日から手術の日まで、「サプリの類は飲まないように」と指示を受けている。
無理じゃろ。
今から不眠の恐怖に怯える。
読書はほどほど
『戦中派不戦日記』は6月に入る。
5月24日に空襲で下宿を焼かれ、大家ゆかりの山形や故郷の但馬(兵庫県の日本海沿いの地域)に疎開しながら書かれる日記に、口語体が見え始める。
硫黄島はダメだ、沖縄もダメだ、と噂になっている中、インテリ青年が悲惨な現状をごまかしたくて書いていた文語体の堤防が決壊したかのようなつらさを覚える。
とはいえまだ6月なので、悲惨さの二重底はまだ抜けていないんだ……と読者の心を曇らせる。
なぜか歴史の文章を書く
note編集担当のTさんからLINEが来て、提出していた日記とプロットにOKをいただく。
いろいろやりたいことがあるはずなのに、なぜか『岡田以蔵と肥前忠広』の文章を書き始める。
プロットの時点ですでに骨子がまとまっていたので、都度疑問点や不明点を調べながら指を動かす。
(書いた文章がこちらになります)
福岡の右翼政治団体・玄洋社の話題を書くことになった。
私は玄洋社の名前を見ると「ピエッ杉山茂丸!」となってしまうオタクである。
(青空文庫に、茂丸の息子の文豪・夢野久作が幼少時からの『偉大な父』のごく普通な実像や細やかな思い出を描いた文章が残っている)
けれど、それをわざわざ書いてはいけない気がする。
以蔵と肥前の話に「玄洋社には夢野久作の父・杉山茂丸が所属していて、茂丸は山縣有朋や桂太郎など何人もの政治家のフィクサーを務め……」なんてあったら、幕末の話を読みたい方のノイズになるに決まっている。
それがわかっているのに、「玄洋社の説明で茂丸と夢久の話をしないなんて、こいつはモグリだ!」と、私の内なる歴史オタがマウントをしかけてくる。
歴史の知識を開陳したい欲と、あくまで読みやすさを求めたい良心がしばし戦う。
結局、騒ぎ立てる歴史オタをなんとか黙らせ、幕末ファンにわかりやすいスッキリめの文章を書いた。
つい逃避してしまったのも、己の内面と向き合って公募の文章を書くことを避けたい気持ちがあるせいかもしれない。
今日『避けたがっている』自分に気づけたのだから、明日からはよりまっすぐ己と対話できる……といいな。
書き物が一段落ついたので、散歩と買い物。最低ラインの3,000歩はクリア。
『光る君へ』鑑賞
お風呂をキャンセルして、あと3話に迫った『光る君へ』を鑑賞。
1年間、まひろちゃんの己との対話を見続けてきた。
『正史の紫式部はすでに亡くなっているかもしれない』時期の、暁に見る夢のような時間だから、まひろちゃんが『刀伊の入冦』に巻き込まれるのも『そういうもの』として受け容れられる。
1話での道兼の凶行から、『史実ではありえないけどこのドラマ内なら成り立つ』信頼を積み重ねて来れたのは本当に得がたい。
今日の振り返りと明日やりたいこと
今日やりたかったこと:
✔️読書→進めた!
✔️アウトプット→予定外のことだけれど書けた。
❌机の上のものを3つしまう→できなかった…
まぁでも2つできたので優勝!
今日の気づき:
☘️『戦中派不戦日記』を読んでいて、特に風景描写の美しさに目を奪われる。少なくともその裾に取りすがりたいので、やはり歩きスマホはやめよう。
☘️文章を書くのはとても楽しい。けれどそれは『楽しい素材』を選んでいるからでは? 『楽しくない』ものから目を逸らしているだけなのでは?
今日のよかったこと:
💮アウトプットできた! 書くべきこととそうでないことの区分けもできた!
💮より美しく、かつ読者に想像させやすい風景描写に努めようという気になった。
💮ラーメンのスープを捨てる習慣を始められた。
明日やりたいこと:
💪引き続き読書。『不戦日記』を7月まで読みたい。
💪アウトプット。今度こそ、自分と向き合わねば。
💪机の上の片づけ。今日こそ何か3つしまう!
💪Amazonからブラックフライデーの荷物が届くから梱包を解いて、しまえるものはしまいたい。
比較的前向きに過ごせた気がする。
明日以降も、できることから少しずつ取り組みたい。
最後に
できたことを過剰なくらいに褒めてあげて、できなかったことは『できなかったと意識することがえらい』と自分への思いやり(セルフコンパッション)に努めています。
一歩一歩ゆっくり進んでいる日常が、自己肯定感が低くなりがちな発達障害当事者や休職中の方の励みになっているといいな……と思います。
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