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京極夏彦先生から松陰神社へ
いざ、松陰神社へ
10/27に、東京・世田谷の松陰神社の例大祭へ行くことにしました。
松陰神社の祭神は吉田松陰。
松陰は過激な尊王攘夷思想を持つ行動家でもあり、現在の山口県萩市にあった松下村塾で熱心に門下生を教える教育者でもありました。
1859(安政6)年の安政の大獄で井伊直弼から裁かれ、満29歳の短い生涯を終えますが、高杉晋作・伊藤博文らの松下村塾門下生がその教えを引き継ぎ、江戸幕府を滅ぼして明治維新を成し遂げたことで知られています。
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当時の長州藩抱屋敷の一角に葬られた松陰の墓の周囲に、1882(明治15)年に伊藤博文らが建立したのが世田谷の松陰神社です。
世田谷の松陰神社も都内にしては立派な構えなのですが、萩の松陰神社はさらに豪壮な境内を構えています。
松陰の旧暦での命日である10/27に萩と世田谷の松陰神社で例大祭が行われ、世田谷では東急世田谷線駅前の商店街も含めて盛り上がっているようです。
実は、もともとこの日は別の予定を立てていました。
ねんがんの サインぼんを てにいれ……?
この日、神保町ブックフェスティバルで京極夏彦先生の代表作『百鬼夜行シリーズ』の17年ぶりの新作『鵼の碑』にサインをいただくつもりでいました。
発売日の敗北
2023年9月、『鵼の碑』が発売されるのに合わせて、ぜひともサイン本を手に入れたいと気合いを入れて、紀伊國屋書店新宿本店の行列の先頭に立って開店を待ちました。
ですが、まさかの入荷なし。
ジュンク堂池袋店や三省堂池袋店に入荷したという情報を見ても、当然即売り切れ。
まさか紀伊國屋にないとは思わないじゃないですか!
家に本を置く場所がなくなってきたことを踏まえても、どうしても欲しかったサイン本。
それを入手できず傷心のままに店を後にして、電子で購入しました。
『鵼の碑』郷嶋郡治推し
『鵼の碑』、とても面白かったので読んでください。
郷嶋郡治という、公安の男が大変に魅力的で……戦時中に特務機関で暗躍していた過去を持ち、人とのつき合い方がわからず『公安』という鎧をつけないと落ち着かない様が大変に可愛らしく……(推定30代の成人公務員男性です)
ちなみに郷嶋の初登場は『邪魅の雫』。シリーズを講談社文庫換算で厚さ30センチほど読んだら出てきます。
紙の束は分厚くても、リーダビリティが大変高いので、すぐに読めます!本当です!(京極オタがよく言う誘い文句)
リベンジを狙うも……
この前にも2023年1月の『書楼弔堂 待宵』のサイン本争奪戦に負けています。
毎年10月最終週の『神保町ブックフェスティバル』の『お化け友の会』さんのブースで京極先生が野生のサイン会をしていることを知りました。
ぜひとも手に入れねば……と、X(Twitter)でお化け友の会さんをフォローして、文庫版の『鵼の碑』も買って今年の参加表明を待っていましたが……。
先に発表されたブックフェスティバルの見取り図に『お化け友の会』の名前はなし。
そして、正式にお化け友の会さんから「今年は参加しません」というポストがありました。
問い合わせがあったので。
— お化け友の会 (世界妖怪ショップ目目連 店長。) (@mokumokuren1976) October 25, 2024
今年の神保町ブックフェスティバルですがお化け友の会の出店は残念ながらありません。
また野望が潰えた……つら……
と思っていたら。
土佐に残る民間信仰・いざなぎ流
ブックフェスティバルの見取り図が発表された前後、地方の祭りなどを追っている民俗学アカウント・幣束さんが報告ポストを上げられました。
高知県香美市物部町に伝わる民間信仰『いざなぎ流』の例祭が、10/17に開かれたのこと。
令和6年10月17日、高知県香美市の奥物部にて8年ぶりに執行されたいざなぎ流の大祭「日月祭」を一部だが拝観することができた。
— 幣束 (@goshuinchou) October 17, 2024
感無量…感無量である。ああ、いざなぎ流だ…資料で、映像で、本で見た綾笠を被った太夫が結界の中で礼拝の神楽を奏している…15年前からずっと見たかったいざなぎ流だ… pic.twitter.com/R8GMr87r1t
高知は海沿いというイメージがありますが、案外山深くもあり、「人が住める土地の面積は日本一狭い香川県よりも狭い」と高知出身のフォロワーさんから教えていただきました。
四国山脈のおかげで他の四国の地域とも隔絶された高知では、古語由来の言葉も残り(いつかまとめたいです)、伝統的な文化がタイムカプセルのように保存されています。
いざなぎ流は、高知在住もしくは出身の方には「知らない」「なんか聞いたことある」というほどの知名度とのことですが、民俗学のバイブル・小松和彦先生の『憑霊信仰論』に取り上げられ、民俗学やオカルトのオタクには知らない者はまずいません。
陰陽道、神道、修験道、仏教などの要素が混じったいざなぎ流の儀式は、太夫(土佐弁で神主のこと)が御幣と呼ばれる紙(人形のものもあり)を操って祈りを捧げるという、フィクションの陰陽師好きにはたまらなくなるものです。
実際、大河ドラマ『光る君へ』の陰陽道監修を担当されていた高橋圭也先生はいざなぎ流の『許し』を得ていて、安倍晴明や源明子、藤原伊周の呪術にはいざなぎ流の要素が取り入れられています。
その8年ぶりのお祭りとなれば、界隈が盛り上がるのも当然です。
京極先生も、『世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)』として現地に赴いているどころか、来賓として招かれていてもおかしくない立場にあります(小松先生もいらっしゃったようなので)(わざわざ写真を上げる不届き者はいないようですが)。
仮に16日に現地入りして(高知龍馬空港から物部町までは車で1時間ほどかかります)18日に帰ったとしても、還暦を迎えた京極先生が約1週間後にサイン会を開けなくても無理はありません。
「……まぁ、いざなぎ流ならな……」
と、諦念とともに受け容れたのでした。
予定が宙に浮いたので
「うーん残念」と思いながら、ダメ人間のサガとしてXのタイムライン監視をしていたら、世田谷の松陰神社の予定表が流れてきました。
商店街では奇兵隊のコスチュームを着た集団が行列を組んで練り歩き、境内では地元のよさこいチームが演舞を見せると知って、にわかに「行きたい!」となりました。
23年2月の1泊2日高知弾丸旅行では時間がなく、岡田以蔵ポイントだけを回る有様だったので、桂浜の龍馬記念館も市内の高知城歴史博物館も満足に見る時間がありませんでした。
日曜市で本場のよさこいと行き合わせたフォロワーさんがうらやましく……という気持ちのリベンジもできそうです。
また、境内の出店の中に『幕末ファン交流広場』という、幕末の本やグッズを扱うブースがあるとのこと。
ゲームから入った人間が行ったら叩き出されるかもという恐怖もありますが、なんとか木やテントのポールに擬態して見てみたいです。
現地で何か面白いことがあったら、また日記にしたいと思います。
おもしろきこともなき世をおもしろく すみなすものは心なりけり
そうですね高杉さん! その気持ち大事!
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