【日記】論理的なつもりのオタクが好みの受けについて考えてみた
フィクションの人間を性的消費する中年オタクの、短くならなかった日記です。
歪んだ性的嗜好
私はBLが好きです。
今はたまたまHL(へテロラブ、男女のカップリング。いわゆるNL(ノーマルラブ))が好きなのですが、本来は男性同士の友情や信頼感から恋愛感情を幻視するのが大好きです。
アルファオスは受け
数十年もオタクをしているうち、時間をかけて好みのタイプの受けが定まってきました。
がっしりした体格、筋骨隆々ならなおよい
頼り甲斐のある男らしい性格、組織のリーダーに向いている
お金持ち
ざっくり言うと、婚活で無双しそうな、女性にモテそうな、メスの排卵を促進しそうなアルファオスです。
当たり前ですが、こういうタイプはまず間違いなく攻めに置かれます。
小動物のように愛らしく庇護したくなる受けに独占欲を発揮して、他の男から視線を向けられたなどと言いがかりをつけて『お仕置き』をするタイプです。
でも、と年季の入ったオタクは思います。
愛らしい子を受けにするならHLでよくない?
BLなんだから、どんな男を受けにしたってよくない?
ちょうど思春期に『肩幅が広く初号機のように暴走して返り血まみれになる武術の継承者・八神庵(The King of Fightersシリーズ)』とか、『己の信じる道理のために警察組織の規則を横紙破りして方々に迷惑をかける四角い顔と体躯の刑事・木場修太郎(百鬼夜行シリーズ)』などに触れて性的嗜好を歪ませられたせいで、『守ってあげたくなる可愛い子』を受けとは思えなくなりました。
歪みが極まった結果が、『アルファオスは受け!』です。
『抱かれてやる側』の余裕
アルファオス受け好きにも、いくつか種類があります。
誰かに負けることすら想定していない圧倒的強者の、ダイヤモンドのように輝く矜恃や尊厳を泥に落として踏みにじることが好きな人も一定数います。
けれども私の好きなシチュエーションはちょっと違います。
腕力でも権力でも財力でも勝っている男が、あえて『抱かれてやる』姿勢が好きなのです。
性行為はそれぞれの役割を持って行うことなので本来勝ち負けはないはずなのですが、どうしても挿入する側の方が場の権力を握りがちです。
『抱く』『抱かれる』なんて言う表現からも、その前提が見えますね(言葉の厳密な意味を共有するのも難しいのでつい使いますが)。
男女間や力で劣っている相手に対して強引にことに及び、被害者側が尊厳を奪われたと思う例は枚挙にいとまがありません。
そんな中で、力で勝っている側が、相手の欲を叶えるためにあえて『抱かれてやる側』を選ぶのがたまらなく性的嗜好を刺すのです。
具体例(含む反証)
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラーさんは、ディズニー社の女性向けソシャゲ『ツイステッド・ワンダーランド』のキャラクターです。ライオンキングのスカーをモチーフにしているのですが、もう絵に描いたような(絵なんですが)アルファオスです。
ワイルドで強いカリスマ性を持ち、故郷では王子(正確には王弟)なので権力もあります。
その気高さや堂々とした男らしさが、21世紀でもここまであったかどうかというくらい性的嗜好に刺さっています。
実はあんまりにもレオナさんが好みすぎて、怖くてゲームに手を出していません。
下手に触れてしまったら最後、財布を空にさせられそうで……。
メインやイベントのストーリーを受動喫煙してオスぶりを確認しては「受け……」新しいイラストのキングさを見ては「受け……」全年齢向け二次創作を見ては「受け……」となっています。
攻めは舎弟格のラギーくんかな……まだ幼児の甥っ子王太子・チェカくん(成長if含む)かな……プレイヤーが操るキャラクター・監督生かな……。
そんなに気になるなら早くダウンロードしましょう。おばあちゃん、ライドカメンズもあるでしょ?
岡田以蔵
逆に、岡田以蔵が攻めに行き着くまでには紆余曲折がありました。
古今東西の英雄をキャラクター化する『Fate』シリーズのソシャゲ『Fate/Grand Order』にも、以蔵はチーム土佐の一員として登場しています(本当はFateシリーズにおいてもっと長いルーツがあるんですが今回は割愛)。
幕末の人斬りとして名を馳せた以蔵は、生前のしくじりによって悪評ばかりが残りました。
以蔵は史実で同志たちから頭が悪いと評価され、Fateシリーズでも剣の腕前による万能感と低能扱いによる劣等感の狭間で苛まれる性格づけがされました。
何でもそつなくこなす、幼馴染み(という設定)でもあり神経にも障る坂本龍馬に対抗心を燃やして絡むせいで、以蔵が受けに回るBL二次創作が世にあふれました。
『18年度もっとも結腸を抜かれた男』という名誉なのかよくわからない称号を得たりもしました。
けれど私はゲームで彼の魅力に触れ、オタクの常としてpixivで二次創作を漁りながら、not for meの気持ちに襲われました。
いかにも受けな男を受けにしても……。
自分の中の違和感を持て余していたら、なんとなく見た女主人公との二次創作に刺されました。
健気な活発美少女がいじけて荒んだ男を愛情によって変化させる様、とてもいい……!
約7年ぶりにHLに転げ落ちた瞬間でした。
同志が欲しいまとめ
歪んだ性的嗜好と、右を向けと言われたら左を向きたくなる難儀な性分が組み合わさって、だいたいどのジャンルにはまっても「推しカップリングはマイナー……」という目に遭います。
(なお岡田以蔵×女主人公は18~20年頃にはそれなりの勢力でした。私が沼に落ちたのは22年でした)
次にどのジャンルのどのカップリングにはまるかはわかりませんが、少しでもアルファオス受けとダメ人間攻めの人が増えていますように……と願ってやみません。
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