膏薬の土佐弁①-1 ウ音便
土佐弁こと始め
ゆえあって、幕末時代の土佐弁を喋る男のことを考える必然性が発生しました。
坂本龍馬が出てくるドラマなどで、土佐弁に触れた人も多いと思いますが(ここ5年ほど幕末が舞台の大河ドラマがなくて少し悲しいですね)、土佐弁はかなり特徴的な言葉です。
たとえば、
とは、初見では絶対に読めないはずです。
(これは非ネイティブがひねり出したインチキ土佐弁です)
キャラクターに土佐弁っぽい言葉を喋らせるには、独特の語彙を学ぶ必要があります。
Twitterのbot機能が止まるまでは、『土佐暮らしの陸奥守』さんが毎日土佐弁を教えてくださっていました。
土佐暮らしの陸奥守さんは、土佐弁キャラを喋らせたい人のために土佐弁を広める同人誌を何冊も出していらっしゃいます。
しかし実際、語彙だけではいかんともしがたいところがあります。よほど何度も使わないと忘れてしまう(土佐弁に置き換えようという発想も出づらい)し、調べても観測範囲にない語彙があったらお手上げです。
などは、知らなければ出てきません。
ですので私は、語彙と同時に文法からも攻めることにしました。多少共通語が混じっても、なんとなくそれっぽく見えるようにと願いながら……。
大ざっぱな割には変に理屈っぽい私は、文法の法則を探っては「最初からこう知りたかった……!」となっております。
詳しい方が教えてくださるのももちろんありがたいのですが、初学者が学びの記録を書き残しておくこともヒントになると思うので、noteに上げる次第です。
『理屈と膏薬はどこにでもくっつく』ということわざが好きなので、土佐弁に理屈をくっつける『膏薬の土佐弁』というタイトルにしたいと思います。
お読みになる前に
もちろん、この学習記録は『これが正しい! こうしなきゃダメ!』というものではありません。
そこに愛があれば、きっちりした土佐弁でなくてもハッピーに読んでいただけるはずです。
「こんなに理屈っぽくとらえてる変人もいるんだなぁ」程度に受け取っていただければ幸いです。
ウ音便
音便は『西の言葉』全般に適用されますが、体感的に土佐弁は音便の効きが強いので、しっかり使うと土佐弁っぽさがぐんと上がります。
ワ行五段活用のウ音便
ワ行五段活用動詞では、連用形の促音『っ』が『う』になります。
口語としてこなれた発音になることもよくあります。
以前私がやってしまった失敗は、ラ行五段活用にもウ音便を適用したことです。
ラ行も連用形は促音『っ』になるので、ごっちゃにしてしまいました……。
にはなりません。
形容詞のウ音便
形容詞の連用形『く』も、『う』になります。
こちらも、口語として変化する例があります。
他にも、希望の助動詞『たく』の『く』も『う』になり、口語になって『とう』に変化します。
この辺は2年学んでも時折忘れるのですが、大事なので怠らないようにしたい、と常々思っております。
ウ音便で同じ発音になる語
共通語では違うのにウ音便になると同じ発音になってしまう言葉がいくつかあって、学んでいてちょっとフフってなります。
後編のイ音便編に続きます。
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