タイムマシンと透明女 #迷鑑定バディハイキング
博士、ついに完成しました。
峰子か?どこにいる?
ここよ。
峰子は博士のはげ頭を撫でた。
透明になる薬を飲んでるんです。博士のタイムマシンがあれば私たち最強バディにれます。
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博士、ここは?
戦国時代の奈良の春日野じゃ。
あら、懐かしい、子供の頃、ハイキングできました。
君は、伊賀忍者の末裔だったな。あれを見よ。
変な人たちですね。いい大人が赤い絨毯の上でお飯事ですか?
アホか。あれは野点の準備をしとるんじゃ。
峰子は半透明になっている。
あの茶釜をとってこい。
あいあいさー。
峰子は敬礼をしているが博士にはもう見えない。
峰子が緋毛氈の端を引っぱると人々も茶道具もひっくり返り大混乱。
そのすきに茶釜は宙に漂い人々の視界から消えた。
これ、何ですの。
久秀の平蜘蛛じゃ。さあ令和に戻ろう。
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全くの偽物ですな。
鑑定士は厳かに言った。博士は怒った。
そんなはずはない。松永久秀が実際に使っとったぞ。
その久秀は平蜘蛛と一緒に爆死しています。
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