恐れ
新しい世界、というよりもこれまで自分が知らずにいただけなのだが、そんな世界に足を踏み入れるのはなんとも恐ろしい。
顕かに、自分よりも優れた能力をもっている事が一目瞭然だと思える輩がゴロゴロしている。
こうして物陰から覗いている分には安心だが、そこへ加わろうとするのには半端な勇気ではない。
しかしこの世界を知ってしまった以上もう安穏の世界に身を潜めることはできない。
尻尾を巻いて逃げ出して、緩やかな他の世界を一から探すのか。
あるいは自分の身のほどを思い知ってもなお、この世界にとどまり、この世界で己を鍛え直すのか。
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