チューブですーすー

歯磨きのチューブを覗いてぷしゅぷしゅしたらすーすーしていっぺんに目が覚めた話。

いつも風呂に入ったときに歯磨きをするんやけど、歯磨きがもう残り少ないことは少し前から気付いていた。

ラミネートのチューブを絞り倒して、振り回して、先端に集めようとしたけど出てこない。

ホントにもう無いんやろかと思ってキャップを外した口の穴から覗き込んでみると、空っぽに見える容器の底の方になにやらペパーミントグリーンの物が少し着いているようにも見えた。

見えたと思ったとたん無意識的にチューブをぷしゅぷしゅと押していた。
チューブの中の爽やかな空気が目に染みる。

「これは一気に目覚めるなぁ」
と思った次の瞬間
「ぼちゅっ！」
という音とともに粘性の歯磨きが私の左目に飛び込んだ。

「わー！」
歯磨きチューブを放り投げ、あわてて水洗いしたが後の祭り。

「爽やかな口臭が長く続く」

そのキャッチフレーズ通り、目がすーすーして寝られないまま長い夜を過ごしたのだった。

打ち上げ花火と同じように
「覗くな危険」
の注意書きを添えるべきだと思ったことがあるのは私だけだろうか。