老いへの抗いは誕生記念
子どもの頃から、わりと視力は良い方でメガネやコンタクトのお世話になることは無かった。
それは大人になってからも衰えることなく、メガネの類いはサングラスか、ゴーグル、変装用のだて眼鏡!?くらいだった。
ところがここ数年、薄暗いところではモノが見えにくくなってきたことに気がついたのだ。
まずは弁当のおかずがよく見えなくて、口に入れてから思っていたのとは味が違うことでやっと気がつくという始末だった。
自分は何を見ていたんだろうとは思ったのだが、いわゆる「ながら族」今で言う「マルチタスク」の常習犯だったので、そんなこともあるだろうとたいして気にも留めていなかった。
老眼の初めはこんなもんらしい。
小さな文字やら近くのモノがだんだんと見えづらくなっていてもそれを認めたくない意識が働くのか無意識で、必死になって調節して見ようとしていた。
自分でも薄々勘づいてはいたのだが抗っていたよなぁ。
百均ショップでサングラスの並びにあった老眼鏡を、試しにかけてみたところで観念した。
老眼だ。
「誕生日のプレゼント、なにかほしいものある?」
妻にきかれて老眼鏡をつくってもらうことにした。