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ウサギ跳びの時代

 小5の次男がコップをひっくり返してテーブルを水浸しにした。

「なにやっとんじゃー!
ウサギ跳びで神社まで往復!」

 まぁ冗談で言ったのだが、本人ポカンとしている。

「ウサギ跳びって、こう?」
考えた末に手を床についたカエルスタイルで跳んでる。

ウサギ跳びを知らないのか!?

なにかやらかしたらウサギ跳びっての当たり前じゃなかったのか!?

そうか、ウサギ跳びは昭和の遺物か。

 私が子どもの頃は、なにかといえばすぐ「ウサギ跳びで校庭一周!」とか言われてたけど。

 「成長期に、関節に無理な負担のかかる運動させたらあかん」
とか言い出すようになってから、ほんま一切聞かんようになったもんなぁ。

「いやいやそれじゃあカエルだろ。手は後ろで組むんだ」

「オレが子どもの頃はそれで神社の石段を跳んで上がったもんや」

 巨人の星とかアタックNo.1とかのスポ根モノには必須だったよなぁ。
「スポ根」ってナニ?ってか。

今の社会では通用せん制度よなぁ。すぐに訴えられるやろ。

 そこまでして、なにをムキになって頑張ってんだろうと思うほど、血だらけになって自分を犠牲にして、社会のために、みんなのために。無理をしてでも。

 時代そのものがウサギ跳びしてたよな。

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