【読書】「AI分析でわかった トップ5%社員の習慣」
いわゆる「できる社員」の習慣・考え方がまとめられた仕事術の本です。
AIを使ってデータを分析して導き出したというのがなんとなく今っぽいですね。仕事術のビジネス書といえば、それなりに成功を収めてきたビジネスパーソンが自分の経験や成功体験をベースに書かれているものが多い印象です。一方でこの本は著者の経験ではなく、できる社員の行動をデータで分析して共通点を見出している点で、仕事術のポイントとしては本質をついた内容が多い本かもしれません。
ちなみにサンプル数は「できる5%社員」と「それ以外の社員」でそれぞれ9000人で、合計18000人のデータを集めたそうです。社員には定点カメラを設置したり、ICレコーダーやセンサーを装着してもらったり、チャットやオンライン会議のデータを集めたり、ヒアリングを通して様々なデータを集めたとのこと。そう書かれるとかなり信憑性は高そうだなと思いますが、自分がもしデータを収集される側だったらなかなかストレスを感じそうだな。。とも思いました。
内容に関して言うと、一般的な仕事術のビジネス書によく書かれていそうな内容のいいとこ取りをしたような内容というのが個人的な感想です。新入社員や社会人2、3年目の若手社員の方が結果を出すための仕事術を学ぶには良い本です。一方で、これまでに多くの仕事術の本を読んできたビジネスパーソンにとっては新しく得られるものはそれほど多くないかもしれません。
私なりに概要をまとめると
・目的意識を持って働く
・自分の弱みを見せる
・挑戦=実験と捉える。スキルの掛け算でスキルアップを図る
・意識ではなく行動から変える
・目標から逆算する
・休日や適度な運動と読書をする
・成果で評価する(される)意識を持つ
・重要な仕事をするために、その他の仕事をの効率を上げる
・情報収集はネットだけに頼らない
・問題が発生したら、まずは根本原因を調査して最初を防ぐ
・挑戦にはデメリットがあることを把握している
・完璧を目指さない
・再現性を重視する
・振り返りの時間を作る
・資格や研修を重視しない
・現場の経験でトラブルやアクシデントに対する対応力を学ぶ
・早い段階でフィードバックを得る
・メモ、アウトプットの習慣がある
・笑顔を大切にする
・結果は準備で決まると理解している
・感謝を伝えて相手を承認する
・メールの返信は15分以内
・学びをすぐに実践する
・成果を残せない人は報告が遅い・成果を出す人は納期を守る
・メモの習慣があり、メモの取り方も工夫している。
・外部から刺激を受けて思考停止を防ぐ
・週に1回内省の時間を作る
・ショートカットキーを有効に使う
こんな感じです。
私なりに言葉を変えているものもありますし、個人的にあまり重要でないと感じた部分は省いたりもしていますが、ポイントを箇条書きにすると上記のような内容になります。
私自身、これらを全て実践できているのかと言われると、もちろんそんなことはなく、できていないこともたくさんあります。ですが、ここで紹介されている内容の多くは他のビジネス書でも見たことがある内容で、仕事をするときにこれらの項目の半分以上は日頃から意識をしているつもりです。
私自身が仕事ができるトップ上位5%の人間かと言われると、絶対にそんなことはないですが、それでもこれらのことを意識して仕事をしている人が5%しかいないというデータには驚きました。日本という国はそれで大丈夫なんだろうか?と、国の未来がすごく心配になってしまいました。。
この本に書かれている仕事術は、特別実践するのが難しいようなものでもなく、新入社員研修で教えていてもおかしくないレベルのものばかりです。働き方改革云々の話がありますが、このようなデータ分析から導き出された結果を見ると、そもそも1人1人の仕事の取り組み方に対する意識が国全体で相当低いのだろうと感じました。
この本に書かれている内容が、トップ5%ではなく、30%の人間が実践できるようになれば、国全体として色々なことが変わっていくのだろうか、なんてことを思いました。新入社員や、若手社員、それから社員を育てる立場にある社会人の方にはおすすめの本です。