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Hey Siri, 真行寺巡査長が好きそうな音楽を流して。

未読各位に告ぐ。榎本憲男『巡査長真行寺弘道』シリーズ、面白いです。
電車とかスーパー銭湯とかエレベーターとか、たまたま隣り合わせたおじさん同士が、はずみで口をきいたら想像以上に話が盛り上がってしまい、結果的にずいぶん深い話までしちゃったなー、あれはおかしな時間だったなー(しみじみ)。みたいな、そういう作品(=まるで説明になっていない)。

もともと小説に登場する地名がすごく気になる性質で、たとえばヘニング・マンケルというスウェーデンの作家がYstadという人口2万人弱の小さな都市を舞台に小説をたくさん描いているんですが(東京創元社の柳沢由美子訳では「イースタ」、Googleマップでは「ユースタッド」)どんだけ真面目に読んでいたか、その一端が知れるのがこちら。

『背後の足音』という作品に出てくる地名をプロットしながら読んでいた痕跡です。
……とここまでが前置き。

こういうことをする奴は、フィクション中に出てくるミュージシャンの楽曲をSpotifyプレイリストにまとめるぐらい、いかにもやりそうじゃないですか。ええ、「やったった。」記です。
そもそも主人公の真行寺巡査長、ぜったいロキノン読んでたし、サウンドストリート聴いてたに決まってるんですよ。なんならFM fanも買ってたよね(=完全なる同世代)。音楽の趣味、合うわー。

■シリーズ1作目

ウッドストック映画を見たのが洋楽ハマりたての中学生だったので、シャ・ナ・ナにもキャンド・ヒートにも(なんならカントリー・ジョー&ザ・フィッシュにも)いちいち感動したものですけど、やっぱりいちばんはサンタナだもんなー。
"Soul Sacrifice"聴いたの、掛け値なしでこの本を読んで触発された時が30年ぶりで。朝の通勤電車で自分のiPhoneから流れてきたときには、自分で作ったプレイリストであるにもかかわらず、びっくりするぐらいアガりました。

■シリーズ2作目『ブルーロータス』

小説の核となる音楽は架空の作品で(え、ですよね?)苦し紛れに探してきたイスラエルのミュージシャンの楽曲で代用しています。
文章だけでイメージしているときに、脳内で広がる世界の大きさに比べたら、現実にするとこじんまり。
みたいな感想になったので、俺がそのイスラエルのミュージシャンなら、ずいぶんなトバッチリを受けるもんだ、って思うやつ。

■シリーズ3作目『ワルキューレ』

ふだんクラシック音楽をまったく聞かないので、このセレクトで合ってるのかどうかも自信がありません。
ずっと作っていなかったのを、今日思い立って登録したので、シリーズがようやく揃いました。

■シリーズ4作目『エージェント』

巡査長のおかげで久しぶりに聴いたシリーズ、ここではキング・クリムゾンでした。

■シリーズ最新作『インフォデミック』

今回のラインナップはいつもと趣がちがって新鮮でしたね。特に後半。

しかしこういうのって、公式(=版元の担当者あたり)が公開してくれるといいのに、と思わないでもないですが、一方で、自分で曲を登録する作業はあまりに楽しく、その楽しみを奪うんじゃねえ。とも思い、おまえどっちやねん感。
いずれにせよ、謎の達成感を味わえるので小説に登場する音楽でプレイリストづくり、もっとひろがるといいな。

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