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初の実況者の登壇イベントが輝いていた話(昼)

〜わちゃわちゃメモリー2! 16年目の亀戸組スペシャルイベント〜

 2024年7月6日土曜14時。東京は池袋にてとあるイベントが実施される。『わちゃわちゃメモリー2! 16年目の亀戸組スペシャルイベント』略して『わちゃメモ2』が開催されたのは池袋Mixalive TOKYO 7Fシアターミクサである。ゲーム実況者という者たちがここまでパブリックでなかった頃、インターネットの人口は少なくオタクばかりで、今よりアングラだった時代よりネット上で活動していたゲーム実況者『亀戸組』と呼ばれる面々のトークイベントである。今回の記事では彼らのイベントに行った一オタク視点のレポートを書き記していきたいと思う。彼らについての詳細は、亀戸組メンバーの一人であるライターのたろちん氏の書いた記事を参照していただきたい。

また、著者の溢れ出る熱量のおかげで省ける所を省いてもかなり長くなってしまったため、昼の部と夜の部を分けて書かせていただくことを了承願いたい。本記事には昼の部開演前〜昼の部のレポートを残していきたいと思う。

会場到着

自分は遠方参戦組のため飛行機を利用。洒落にならない旅費と引き換えに東京駅に到着したのはもう既に会場してしまっている13時10分。グッズはまだ売っているだろうかといった不安を抱えながらミクサライブ東京に着いた頃には13時半近くになっていた。

池袋駅からミクサライブ東京までの道中、バケットハットを被った少し厳つめのお兄さんを拝見する。池袋にいる人間はみんな亀戸組のイベントに向かうのだと勝手に思い込んでいた自分は、このお兄さんも亀戸組か?いやいやそんな訳ないか!笑 などと思いつつ、東京の暑さと人の多さに既に疲弊しきってしまっていた。溜息をつきながら彼の背をぼんやり見つめていると、彼が背負っていた黒いリュックに揺れる恐らく彼の手作りに見えるフェルトイボーンを発見。ホントに亀戸組愛好家じゃねーか!という驚愕と同時に、自身のイベントへの期待が高まってゆくのを感じた。それに、今思い返せばあの黒のバケットハットは師範代のグッズだったのかもしれない。

7階まで登る階段を重い体を引きずり上っていく途中の4階手前、そこには驚く程の長蛇の列があった。オタクの勘が言っている。これはわちゃメモの待機列だ。つまりここに並ぶ全員が亀戸組愛好家たちなのだ!あまりの人数の多さに圧倒され、思わず息を飲む。全員今までどこにいたんだ。自身も列に並び一息ついていると、X(旧Twitter)ではフォロワーたちが「グッズ買ったよ」「交換しましょう」と大盛り上がり。グッズを購入するための整理券を貰うと、いよいよ亀戸組のイベントに参加するのだと手が震え始める。
スマホで文字もまともに打てず、手が震えてしまって字も上手く書けず、これがアル中の気持ちなのだなと痛感しながらその時を待つ。隣に並んでいたのが相互フォローの友人だったり、自分の遥か前でグッズの一つであるクリアファイルが売り切れたりしながらも、ようやく本日のイベント会場である『7F シアターミクサ』に到着。素敵な入場特典を貰いグッズも無事に購入し、愛好家たちの"亀戸組愛"であるフラワースタンドの写真を撮ってからいざ会場の中へ!1階席の入口に一番近い場所にある煮凝りのフラワースタンドは、燦然と輝いていた。

昼の部開始前

自身の座席は2階席。イスが映画館くらいフワフワしてて座り心地が最高だった。あのイスのレビューに星を5つつけたい。他の愛好家たちのように席に着いてランダムグッズを開封するつもりが、想像の五百倍緊張が解けず面接前ぐらいガチガチになってしばらく登壇者の座席を見つめてしまう。

前回3つだった座席は今回5席に増えており、あの塩が、あの藤原が、と想像を膨らませれば膨らませる程に胸が張り裂けそうなほど心臓の鼓動が早まっていく。震える手で手元の教科書(お遊び組2巻)を握りしめていると、登壇者が出てくる予定の舞台袖からひょっこりと顔を出す男が。暗くてよく見えなかったが、当時の私はそれをまおだと認識する。もしかしたらスタッフだったのかもしれないし、他の亀戸組メンバーだったかもしれない。真偽は未だ不明だが、一定時間置きに3、4回程顔を出していた気がする。あれは誰だったんだろうか。


そんな予想外の出来事に更にドギマギしていると、諸事情により開始時刻が10分遅れる旨のアナウンスが響く。心構えをする余裕が増えたと安堵するも、舞台袖から覗く男に次いで今度は舞台袖から誰かの手が。今度は驚きよりも先に、あの仕切りの向こうに亀戸組がいるんだという感動が訪れる。感慨深すぎて涙が溢れそうになるのを、隣の席の男性は誰が好きなんだろうと思う事でグッと堪えた。どなたの視聴者さんなんですか?と尋ねるのも我慢した。ようやく一つだけ開封出来たランダム缶バッジに現れたはるしげさんの前頭部も輝いていて、精神の安寧を取り戻したような気がした。


イベント開始待機中、背景に流れるBGMが途切れる度に会場にいる全員が「「始まるのか…!?」」と心の中で前のめりになっているのを、開始時刻が迫る程により強く感じるようになった。その様子はさながらお遊び組10話酒蔵見学「以心伝心」の回そのもの。伝わってくる…!人々の「始まってくれ」というオーラ…!ひしひしと…!!

お遊び組2巻収録 『酒蔵見学』回より

昼の部

周囲が暗くなって、流れていたBGMが消えるのと共に漫画企画の実現及びイベント開催のため尽力してくださった我々の女神、亀戸組愛好家の鑑である臼井女史が登場。彼女の司会により早速登壇したルーツ先生はなんと師範代のゴミ拾いTシャツを着用し、そのシャツに今回のイベントで販売された缶バッジまで着けている。あまりのサービス精神の旺盛ぶりに、思わず会場を包む拍手の音は大きくなった。先生がマイクを手にすると会場は静まり彼の挨拶を傾聴する。意気揚々と告げられた「亀戸組愛好家の皆さん、こんにちは!」という挨拶に、愛好家たちは声を揃えてこんにちはと返す。自分は前回配信参加という事もあり、愛好家たちの声や歓声がしっかり聞こえることにかなり驚いたのだが、もはやお馴染みとなった『亀戸組愛好家』という視聴者の総称を生で聞けたこと、先生にこんにちはと挨拶を返せたことの喜びと興奮は未だに忘れられず色濃く残っている。

次いで登壇するのは、まおたろちんイボーンと前回登壇済みの三人。加えて、今回初登壇となる藤原の二人。初登壇初顔出しというのに、あまりにも普通に登壇してくるその姿に一瞬脳が、アレ前回も五人で出てたんだっけ?と錯覚してしまった程。まおの後ろを歩いている想像よりずっと爽やかな男性、そしてイボーンの後ろを歩く噂通りのイケメン。眉毛が太い、Miiにそっくり、そんな我々が聞いていた通りの二人の姿がそこにあった。登壇してすぐのまだ緊張した笑顔のまま客席の方に手を振る塩さんに、会場は大盛り上がり。お前もやれよ、の合図を送る始発待ちの二人に囲まれたうえ、トドメに「藤原さんもお手振りとか…」と臼井さん。愛好家たちに「「ふじわらーー!!」」と大きな声援を送られるも首を振り手を振り遠慮して引っ込んでいくその立ち振る舞いは、確かに藤原そのものだった。

挨拶と場慣れ

全員が登壇したあと一言ずつ挨拶するシーン。一番初めに振られたのはたろちんだった。あの盛り上がりの後に、前回も登壇していて、なんならずっと顔出ししてるたろちんに振られるのか。順番を考えれば仕方ないけど、ちょっと面白いな。そんなことを思っていると本人も思わず「やりずらっ!流れ」と呟き、そりゃそうだと愛好家たちの笑いが起こる。しかしそこで怯むでも盛り下げるでもなく会場を湧かせるのがこの男。「今日はイベントなんで、わんちゃん持ってきたぞー!」(東京ダイナマイトのつかみである「刀持ってきたぞー!」のオマージュ)という台詞と共に『始発待ちグッズのミニトート』に『始発待ちグッズの缶バッジ』と『イベント発売の美少女たろちんちゃん缶バッジ』を着け、たろいみ夫婦の溺愛する『わんちゃん』を連れて来るという愛好家大歓喜のサービスっぷり。
ルーツといいたろちんといい、我々の喜ぶポイントを熟知している……!本当にイベント慣れしてないのだろうか………!?会場は大湧きで、自分も思わず笑顔を浮かべ大きな拍手をしてしまう。挨拶が終わった後のたろちんの笑顔は2階席から見ても眩しくて、前回より元気そうで、それだけで胸が熱くなる。生でその笑顔を見られたこと、一生胸に刻んでいきたいと思った。ちゃんと顔が丸くて嬉しかった。


一番場慣れしていたのはやはりまお。まず、他登壇メンバーが挨拶を振られてからマイクを握ったのに対して、まおは自分の座席に来てすぐにマイクを持っていた。それに自分の挨拶じゃない時はマイクの電源を切っている。あまりにも頼もしすぎる。
「今回は先輩方がいっぱいいるんで僕はゆっくりやりたいと思います」
とそんなことを言いつつも、会話が途切れて沈黙が続かないようにたくさん話を振ってくれたり、会場の愛好家たちを気にかけてくれたり、イベント中もピンクのペンライトやまおに対するうちわに積極的に手を振ったりしていて、愛好家を楽しませてくれるのに余念が無いなと思った。それに、自分のファンへの愛も感じられる。2階から見てもちゃんとデカいしゴツくて嬉しかった。


イボーンの第一声「ただいま池袋!」があまりにも最高だった。この人もこちらを楽しませる事に余念が無いなと思ったし、やっぱりイケおじすぎてしばらく直視できなかった。素敵な笑顔を見せてくれるし、振る舞いや言動がイベント映えしていて、本当にこのおじさんからあのゲップが出るのかと思った。人間見た目では分からないものなんだなあ。
初登壇の人たちを「邪魔」と言ってのけひと笑いとったあと、「センターとして今日はバッチリやっていきますんで!」という言葉で会場を湧かせるその姿。眩しすぎる。イボーンが一番輝いてるよ♡ 同接、増えますように。


「こんにちは、塩です」の挨拶をされるまで、なかなかこの男性が塩さんなのだと認識できなかった。ムキムキマッチョだと思っていた訳ではないけれど、あまりにも爽やかすぎたのだ。役員報告みたいな挨拶をする姿に緊張がこちらにまで伝わってきて、思わず背筋を伸ばして聞いてしまう。しかしイベントという舞台に初めて出ても真面目な挨拶の言葉を述べてくれるところに、改めて彼らしさを感じた。


藤原、めちゃくちゃ漫画の藤原に似てるなと思った。イボーンがいつも「俺だけ俺じゃん」と言っていたけど、藤原もめちゃくちゃ本人だった。イボーンはイボーンだし、藤原も藤原じゃないか!漫画とリアルを上手い具合に混ぜて描けるルーツ先生の凄さを改めて目の当たりにした気がした。何より笑った顔に藤原を感じて驚いた。挨拶の途中で「アッ、アッ…」とか言って慌ててるところ、話を振られてもまだ浮ついて聞いてないところ、そもそも前日寝られなかったこと、一つ一つの所作がしっかりと藤原本人で、なぜだか嬉しくなってしまったのを覚えている。それにちゃんとイケメンだったのも面白かった。

「会場内別ブースより声のみ参加の一名をご紹介します。」臼井さんの言葉により会場全体が「「「そういえば」」」と湧いた瞬間だった。「みんな、立派になったねえ…」という挨拶のあとも天からの声がする度になんだなんだとイボーンが辺りを見渡して、愛好家たちが笑いに包まれたのが楽しかった。はるしげさんはどうやらディレクターさながらスタッフさんのお手伝いをしていたらしく、裏でもしっかり亀戸組を支えてくれるありがたさと優しさ。感謝してもしきれません。還暦おめでとうございます。

ペンライトと写真

ゲームコーナーの始まる前、諸事情により少しだけ待機時間が出来てしまった時があった。各々がじゃあ歓談して場を繋がないとな、じゃあ一旦トイレに行ってくるかな、と少し空気が緩くなったところで、スマホを構えたたろちんが「皆さんペンライト振ってもらっていいすか?」と言った。ペンライトの写真を撮りたいんだと察知した愛好家たちは各々の、いわゆる"推しカラー"を光らせたペンライトを一斉に振り始めた。前の座席にいたお姉さんは星型のペンライトを青色に光らせていた。恐らく社員の方だったのだろう。

"推し"と言うには気恥ずかしい、イベントで浮ついてそんなアイドルみたいな応援の仕方をしていいものか。そんな古い価値観のオタクである自分はペンライトを振ることにイベント前から不安があり、その時も少し体が強ばった。撮られるのなら振るのやめようかな。一人くらいなら振らなくても別にいいだろう。そんな謎の葛藤でペンライトを下げようともした。
しかし、そこで自分が怖気付いてしまっては、色んな葛藤もあっただろう同じ古の価値観を持ちし彼らがせっかくこうして意を決して登壇してくれたのに失礼になるのではないだろうか?と思い直す。せっかく重い荷物の中ペンライトも持ってきたのに、振らずに終わっていいものか。応援してるぞ、の証を残さず終わって良いものか。

いや、よくない!!

たろちんが『いいねがはげみになっている』といったnoteを書いていたじゃないか!ここで反応を返さなくてどうする!!一人より二人、二人より三人。反応は多いに越したことないだろう!すかさず黄色に光らせていたペンライトを持ち直し、力強く振る。生きててくれてありがとう。元気にステージに立ってくれてありがとう。いつも楽しませてくれてありがとう。そんな気持ちを込めて、2階席だが届いてくれればいいなと思いながら振った。
「ありがとうございます。これを全世界にばら撒きます。」の小ボケを聞いた時、今日ここに来れて本当に良かったと思えた。同じく写真を撮ってたまお用にペンライトをピンクに変えたかったけど、間に合わなかったのでそのまま黄色を振ったのも良い思い出になった。次からは2本持ちになることにしよう。

退場と感動

一通りコーナーも終わり、プレゼント抽選も終わり、ルーツ先生が2巻単行本の帯の裏に着いている特典映像の告知をした後、臼井さんの「配信をご視聴の皆様は〜」の挨拶が来ると、終わりのBGMが流れ出す。いよいよ昼の部が終わってしまうのだ。寂しさに心がキュッと締め付けられて、まだこの空間にいたいのにと名残惜しさに少しだけ泣きそうになった。「みなさんありがとうございました!」の言葉の後に、会場は盛大な拍手に包まれ亀戸組メンバーたちは手を振って配信視聴勢を見送ってくれる。その際、BGMに合わせて真ん中に座っていたルーツとイボーンが手を振って踊り出した。なんかやってる、と微笑ましく思いながら見ていると、その二人を中心に登壇していたみんなが同じように踊りだし、それを見た愛好家たちは拍手をだんだんBGMに合わせ手拍子に変えていった。その雰囲気の温かさと空気の楽しさに、たまらず笑顔になっていた。あの瞬間、ここにはたくさんの人達が、全員亀戸組を好きな人達が集まっているんだなあと思った。
BGMが一度やんだ瞬間に全員踊るのを止め愛好家たちも手拍子を止めたが、また音楽が鳴りだし、若干まだあるんかいという雰囲気になったのも楽しかった。

そうして配信の方が終わったあと、本当に昼の部の終わりが来た。また夜の部もあるので楽しんでいってくださいとルーツ先生の締めの言葉で、登壇者たちも手を振って退場して行く。それぞれに手を振りながら、楽しかったなあと昼の部を思い返していると、舞台袖まで来たイボーンが横にいたまおを引き止めてこちらに手を振るファンサービスが。(イボーンに曰くCOWCOWのポーズをやったらしい)

Wikipediaより

チーム戦桃鉄でまさか二人が組むとは思っておらず、愛好家たちから唯一ドッと笑いが起きたまおとイボーンによるいど社長チーム。最高に相性の良い連携をありがとう。イボーンまお塩の三人は割と最後の最後までこちらに手を振ってくれて、それが嬉しくてずっと振り返してしまっていた。あの瞬間、アイドル売りだとか推しがどうのとか、うだうだくだらない事を考えていた自分が嘘のように純粋に手を振ったのを覚えている。それくらい本当に嬉しかった。そして、本当に眩しかったのだ。


一旦この記事では昼の部までとさせていただきたい。たいへん長く文字を綴ってしまったが、それほど有り余る熱量を抱えてしまうような体験をさせていただいたのだということを伝えられたらとても嬉しく思う。昼の部終わり〜夜の部のレポートはまた後日。



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