梅雨の時期は「機材の整備期間」
6月に入り、各地から梅雨入りの声が聞こえてきました。この時期に星空を見られるような天気になる事が少なくなります。この時期に大切なのが高湿度による光学系へのカビ対策です。機材のケースに入れておく乾燥剤などを総チェックする時期でもあります。
カビが怖い時期です。望遠鏡の鏡筒ケース、接眼レンズのケース、双眼鏡など、保管をしている時の湿度が気になります。でもその前に…特に大切だと思っているのが「脱脂」です。接眼レンズなどにはまつ毛などの接触で皮脂が付着している場合もあります。その皮脂などを適切な方法で脱脂しておくのはカビにとっての栄養を絶つ事にもなりそうですよね。レンズクリーナーなどで優しく清拭してレンズ表面の汚れを無くしておきましょう。
もちろん、注意しないといけないのは清拭する前にレンズ表面の埃はブロアーで吹き飛ばしておく事です。野外での活動中に風で飛んできてレンズ表面に付着してしまった砂ぼこりなどは非常に硬く、レンズ表面に簡単に傷を入れてしまう厄介なヤツです。ブロアーで吹き飛ばした後であっても、レンズクリーナーでの清拭には力を入れることなく柔らかく拭きましょう。そうですねー、具体的に言うと…「目薬を指に塗って、指で眼球を拭く」イメージでしょうか?ねっ?力を入れたくなくなっちゃうでしょ?(笑)
そうそう、レンズの清拭作業の前にも大切な事があります。「ちゃんと手を洗いましょう」って事です。手指の脱脂も必要ですが、爪の間や指紋の谷間にあるかもしれない微細な埃も洗浄したいものです。
これまでの流れは逆な順序での説明をしてしまってますね。
1.手指を洗浄、可能であれば脱脂しておく。
2.レンズ表面はブロアーで埃を吹き飛ばしておく。
3.レンズクリーニングペーパー(シルボン紙)や何度も洗って脱脂された綿布でレンズを清拭する。
この流れで光学面を清拭しておくとカビ対策として(清拭しないよりは)少しは違います。
レンズの清拭(清掃)が終わったら、保管用の空間を調湿すれば良いのでしょう。シリカゲルや石灰乾燥剤などを交換し、保管用の空間を乾燥させておきたいものです。
私は吸湿材「ドライペット」を使う事もあります。吸湿する前の重量を量っておいてサインペンで「使用開始年月日と重量」をメモして書いておきましょう。梅雨が終わった時期に計量し、増加した重量が水分の吸湿量です。吸湿材ごとに最大吸湿量が違いますので使い始めの重量は記録しておいた方が良さそうですね。
タイトルには【機材の整備期間】と記載しましたが、梅雨入り前のカビ対策は極めて重要だと感じております。
梅雨が明けて夏の星空を見ようと機材を組み上げてレンズの蓋を取ったら…もしもそこにカビが生えていたら…「あぁ…梅雨前にカビ対策してなかったぁ…。」と後悔しちゃいますもの。機材整備=カビ対策の時期は今ですよ!