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昭和時代の天文機材は今でも現役。

「古い機材で地球の自転を感じる。」( https://note.com/kiss_a_ten/n/nd158de78ab55  )
「小さな望遠鏡(60mm屈折)で出来る事。」( https://note.com/kiss_a_ten/n/n7ee56dab5c1b  )
「じわじわと接眼レンズが増えているの何故?」( https://note.com/kiss_a_ten/n/n1c9b22f86321  )
「手持ち用双眼鏡は時間を忘れる。」( https://note.com/kiss_a_ten/n/nee57a44d13e2  )

これらのnoteに共通するものは、そのほとんどが昭和の時代の天文機材が登場している事です。

鏡筒を動かす架台(赤道儀)。
望遠鏡本体の鏡筒(屈折望遠鏡)。
覗く側のレンズ。(接眼レンズ)。
手軽な双眼鏡。

とは言っても、現代の天文機材のデジタル化は大きく進んでいます。特に撮影機材については鏡筒を動かす(撮影時の追尾制御)のもパソコンからのオートガイドになっている事がほとんど。そして望遠鏡本体(鏡筒)には目で見るための接眼レンズではなく「撮影のためのカメラ」が取り付けられている事がほとんど。それもそのはず、肉眼で夜空を見ようとしても街灯りが大きく(光害)、ファインダーや双眼鏡で目的の天体を探す事が困難になっており、以前のような満天の星を自力で見ようとする事が少なくなっているのが令和の時代です。

そのような中、私の所には古くて小さな赤道儀本体を25年ほど死蔵しています。ふとした時に思い出して各部分を触ってみるとこれがまた実に滑らかに動くんです。微動軸は滑らか、粗動クランプは軽い力でしっかりと止まり、動きに不具合はありませんでした。死蔵していた原因は純正の三脚が無いのと微動ハンドルやカウンターウェイト(ウェイトシャフトとバランスウェイト)が欠品しているだけで、本体の動きは一級品です。

現在、販売されている超初心者向け以外の赤道儀は高価であるばかりか、モータードライブ駆動がほとんどで、手で動かすための微動ハンドルが無いのが普通になっています。さらに、天体の導入もパソコンやスマートフォンからの操作ばかりで、粗動や目盛環での手動導入を行うのはかなりハードルが高くなってしまってます。天体の導入が簡単にできるような現代の機材(高級機)は若い人たちには入手が困難になるかもしれません。かと言って安価な機材には基本的な部分(ファインダー、架台の堅牢さ、滑らかな動き)にイマイチな点が多いのも困りものです。

それならば…滑らかに動き、目盛環も付帯し、極軸望遠鏡も付属している=死蔵している赤道儀「アストロLN赤道儀」をレストアし、純粋な手動導入手動追尾の架台として復活してみようと考えました。


カメラ(デジカメ・CMOSセンサー・スマートフォン)撮影ではなく、肉眼で天体を観望するのならアナログな昭和の機材でも十分に使える事は容易に想像できる事でした。(前出の4つのnote記事)
夜空が明るくなったとはいえ、地球の自転(恒星時)は変わらず23時間56分ですし、デジカメやCMOSセンサーと違って人間の網膜は退化もしていないからです。

そんな訳で昨年末より「アストロLN赤道儀レストアプロジェクト」を始動しました。

1.架台の設置をなるべく簡単にできるよう、水準器の追加しました。
2.微動ハンドルは10分に1回転なので、少し楽に回せるよう「1:7減速装置」を追加しました。
3.極軸望遠鏡のセットが楽になるよう、十字線の上下水平となる示準を追加しました。
4.軽量な三脚(カーボン三脚)に搭載できるアダプタを付けました。
5.欠品部品のウェイトシャフトは、他社(高橋製作所)のバランスウェイトを共通部品として使えるようにを特別注文として発注しました。

おそらく2025年2月には昭和の赤道儀はレストアが終了し、使えるようになると思います。来月のnoteをお楽しみに。


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