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みどりの豊かさが、葉っぱにある、小さな気孔のおかげだったとは その1
日本に住んでいたら、
身の回りに緑がたくさん、
というのは、当たり前に思えます。
でも。何かがほんの少し
ずれただけで
今のような環境は
なかったのかもしれません…
どういうことか?
ごく最近の2025年2月17日に、
「植物の陸上進出は
バクテリア由来の遺伝子によって可能になった」
というテーマの
金沢大学の研究成果が報告されていました。
植物の陸上進出はバクテリア由来の遺伝子によって可能になった – 金沢大学
偉大な研究成果を簡単に表現するなんて、
とてもムリ、でもトライしてみます。
結論としては、
水中で暮らしていた藻類
(陸上植物の祖先と考えられている)に、
土壌中にすむ細菌の遺伝子が侵入することで、
藻類は2つの器官を得ることができた。
その結果、めでたく陸上進出を果たし
陸上植物となった、というお話です。
2つの器官とは、
①生殖細胞を乾燥から守る
②水を輸送する。
なんとこの2つの重要な器官をつくるのに
必要な遺伝子は同じもので、
しかも、土壌中の細菌からもらった遺伝子だった、
と、発見したとのこと。
生き物の、種類を超えた共生って
今では、ほぼ定説と考えられていますが、
今回の発見もすごいなあ、と思っていました。
そんなときに、「気孔」の本が
目に入ったのでした。
書名は、この記事のタイトルの通り、
『気孔』です。
サブタイトルは、
「陸上植物の繁栄を支えるもの」。
著者は、島崎研一郎先生です。
最初にこの書名を見たとき、
ええ?気孔だけを扱った本がある?
と驚き、好奇心からゲットしました。
で、「はじめに」と目次を見て、
確かになるほど~、と、
うなってしまいました。
その一部を、表現を一般向けに変えて、
ご紹介させて頂きます。
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気孔は植物表皮にある小さな穴である。
この穴は、外気の二酸化の取り込みと
水の放出の制御を行う。
この気孔のガス交換能力を備えることで、
植物は陸上に進出することができ、
地表をくまなく緑で覆うことが
できるようになった。
気孔は、陸上での植物の生存を
可能にするばかりでなく、
光を効果的に吸収する広い葉、
背丈の高い植物、
水やミネラルを輸送する導管をつくり、
水の輸送機能を発揮させるために、
不可欠の役割を果たした。
気孔の形成と進化がなければ、
陸上は茶褐色で岩だらけの
太古の状態のままであるか、
川のそばの限られた地域だけが
背丈の低い植物で覆われた世界であった
と思われる。
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うーん、そうだったのか!
となりませんでしたか?
気孔は、肉眼では見えない小さな存在、
土壌中のバクテリアも、です。
でも、そんな小さな存在が、
数億年後の私たちの生活の豊かさに
大きな影響を与えている…
小さいけれど、偉大な働きをしてくれる
「気孔」が生み出されたからこそ
身の回りにあふれている、みどり。
小さいから、目に見えないからって
軽んじてはいけませんね。
そして、金沢と言えば、
最近は様々な自然災害に見舞われ、
生きていくだけでも
とても大変と思われる地域です。
そんな厳しい条件のもとでも、
研究を黙々と続けておられる
研究者のみなさまには頭が下がります。
せめて、心の中だけでも、
お礼と応援の気持ちを
お送りしたいですね。
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