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この木はなんと言っている? その1 幹がふくらんだ木編

木の言い分が聞こえるようになったら、
いったい、どんな感じでしょうか?

少しはわかるようになった気もしますが、
合っているかどうかは、
定かではありません。

ですが、気になった木に
もしも何か言いたいことがあるならば?
を想像しながら書いてみましょう。

この木は、幹の下の方が
紡錘形にふくらんでいます。
写真でもわかるでしょうか?

よく見ると、ふくらんだ部分には、
プラスチックの栓のようなものも、
たくさん埋まっています。

さて、なぜこうなっているのでしょう?

ここからは、木の言い分を
想像で書いてみます。

木🌲木🌲木🌲木🌲木🌲木🌲木🌲木🌲

少し前に、木の表面に
散布しなくてもいい殺虫剤が
開発されたのは、
生態系や化学物質に敏感な人にとっては、
よいことだったよね。

けど、木にとっては、そうでもなかった。

なぜかと言うと、木はどれも、
理由がなんであれ、
ドリルで身体に穴を開けられるのは
イヤだから。

まあ、マツ材線虫病みたいに、
かかるとほぼ死ぬしかない病気の時は、
しょうがない、とあきらめもつく。

けれど、その他の病気や
虫の被害の時は、
しなくていいなら、
避けたいですよ。

マツ材線虫病だって、
なんども樹幹注入するのは
ダメージが大きいので
避けた方がいいって、
言ってくれている研究者がいるし。

そもそも。
毛虫にやられやすくなるのは、
街路樹で強い剪定を受け続けて、
抵抗力が下がっているからでしょ。

そこに、穴を開けて、
薬を注入する、
しかも何度も繰り返すと、
だんだん材が腐って、
今みたいに、幹の一部がふくらんでくる。

だから最近、木の形を見れば、
その木の歴史がわかる、
って言ってるけど、
実際にそうなんだよね。

弱目にたたり目、
っていう人間のことわざは
自分のためにあるようなもの。

切られて弱る→虫にやられる
→穴を開けて薬を注入
→ますます弱る→さらに虫がつく
→また穴を開けて薬を注入する…

これが、切られるか、
折れるかするまで
エンドレス状態で、繰り返される…

なんだか違うって、
気づいてやめた、
という管理者もいるけどね。

自分のところは、どうだろう?
できることなら、負のスパイラルからは
抜け出したいけど。

木に生まれるのは、
すばらしい経験だけど、
健康的な生活がしたくても、
自分で決められないのは、
ちょっとツラいかもね🌲


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樹木も人も笑顔に、樹木医mimi  ( 三戸 久美子 )
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