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木に聞きながら、やる

新年は何から書き始めよう?
と思いつつ、
バスの車窓から
通り過ぎる林を眺めていたら…

土壌改良作業について
思い浮かびました。

だから、それから、
にいたしましょう。

私が時々、木に聞く、とか
教えてもらう、と書くと、
⁇となる方も、
おられるかもしれません。

なので、今回は具体例を。

近年、土壌改良の仕事を
ご依頼頂くことが
コンスタントにあります。

しかも、幸いなことに
同じ木を数年、連続して作業する。

そうさせてもらうことで、
理論が木の言い分と結びついて、
現場ごとに、木に聞きながら、
作業範囲をきめるやり方に
落ち着いてきました。

実は、土壌改良作業で
短期的に結果を得るには、
作業範囲をいかに的確に決めるか?
というのが何よりも大事。

ですが、その範囲決めが
悩ましいのです。
地上から、木の根の生活範囲を
見定めるのは,
難易度が高いので。

これができるようになったのは、
工法と職人の腕を信頼して
何年も連続して仕事を出して下さった
担当者のおかげです。

土壌改良を必要とする木は、
何かの理由で体調不良に
陥ってしまった木です。

理由がなんであれ、
体調不良になってしまった時に
できることは限られています。

根を新たに出させることで、
枝葉の量を増やすのを手助けすること。

そこで、土壌条件、さらにいうと、
物理性の改善を試みます。

物理性というのは、 土の中に様々な大きさの隙間を作ってあげる。

そうすることで、
排水性も保水性も保肥性も高い、
という夢のような?環境を
作ることができます。

この話をしていて、
面白いと感じたのは、
多様性が大切なのは
生物の種類ばかりでなく、
土地の中の隙間も同じである
とわかったから。

で、木に聞く、の話題に
もどると、
何を木に聞くか?ですね。


それは、作業した結果を早く出す、
つまりできるだけ早く、
その木を健康にするには、
どの範囲を改良すればよいのか?です。

最初は、適切な位置が
よくわからなかったので、
たぶんこのあたり?という感じで
根拠なく決めようとしました。

ですが、そういうときに、
木に聞く気になれば
教えてもらえるのでした。

うんと土が硬くて、
コンクリートを壊す、
ハンマードリルでも
歯が立たないところは
木の根も伸びて行って
生活するのは困難。

だから、賢い根は、
行ける硬さの場所を
探し出して伸びて行き、
生活しています。

それがわかってからは、
最初に試し穿孔してみて、
硬さを見てから
改良範囲を決めています。

最初の年は、木の体調不良度合いと
植えられてからの年数から、
根の生活範囲を想像して、
そのあたりから作業を始めます。

そうして、発根促進のための土壌改良を
すでにある根を
傷めないようにしてきた結果、
短時間に木が回復してくれて、
みんながニコニコという
うれしい状況が得られています。

これを人間の都合優先で、
資材や機材、工法を決めてやると、
一瞬よくなったように見えて、
すぐにまた、悪くなります。

効果が続かない、という話を
何度も耳にして、
何かが、木の求めていることと
違うのであろう、
と思っていました。

だから、木に、直接、
聞くことにしたのです。

木は人と同じ言葉は
話しませんが、
とても正直者なので、
形に表したりして
何かの形で、言い分を教えてくれます。

私もまだ、訓練中ですが、
わかる範囲で人に伝えられるくらいは
教えてもらって来た気がします。

だから、いろんな場面で
多くの方が、木の言い分を
ちゃんと聞けるような
社会になるよう、
わかる範囲で
お伝えしていきたいな、
と思っています。

今年も、思い浮かんだことから、
になりそうですが、
書き続けていきます。

どうぞよろしくお願いします🙇


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樹木も人も笑顔に、樹木医mimi  ( 三戸 久美子 )
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