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波紋のような広がりを見るうれしさ、楽しさ、そこからくる希望

何か、ご自分の得意な領域で、
「これはなんとかしたい!」という
課題のようなものが、
あったりするでしょうか。

私の場合は、ご承知の通り、
木の理解者をもっともっと増やして、
木も人も、生きやすい世の中にしたい、
です。

で、今年を振り返ると、
事故が多かったこともあると思います、
リスクマネジメント的な講座の
機会を頂くことが多かったです。

木に関する事故が起きたとき、
その直後、樹木医や関連する専門家に
依頼される仕事は、3パターンあります。

1つは、目視の点検、
2つめ、機器を用いた診断、
3つめは、リスクマネジメントの研修。

この3つとも、声をかけていただきましたが、
やっていて最も希望を感じるのは、
3番目のリスクマネジメント講座です。

理由は、やってみて
あらためてわかったことですが、
危険の予防につながることが
実感されるから。

先日も、ある山のビジターセンターの幹部の方、
と言っても、年齢は若い人に、
木の形の見方のレクチャーをしました。

その前は、森の中で活動する
年齢も、やっていることも
ばらばらな参加者に、
木の形を読み解く、
そして、できるだけ、
危険を回避して楽しむ、
という話をしました。

大学の仕事に加えて、そのような研修を
今年は集中的にやったおかげで、
わかったこと。

最初に、最低限の基礎知識を
きちんと伝え、それからフィールドで、
実際の木や木の暮らす環境を見ながら
復習する。

そうすると、その後、森に入ったとき、
木の歴史や言い分、森の中の環境の意味を、
木に聴きながら、自分たちで
理解できるようになる。

昨日も、最近、レクチャーを
受けてくれた保育士さんから
うれしいメッセージを頂きました。

あれから、森に入ると、
木が気になって気になって、
子どもたちはさておき、
木を見ていることが多い、
とのこと。

最後のことばは、
保育士さんの照れ隠しで、
子どものことは、
何よりも大切にしてきたので、
きちんと意識に入っているはず。

そこに木が加わっただけ。

今まで、知識がなかったから
見えなかっただけの現象や、
木の言っていることが
わかるようになると、大げさでなく、
身の回りの景色の見え方が変わります。

だから、森に入っても、
いろんなものが目に入り、
おもしろくてしかたがなくなる
のだと思います。

それが結果的に、
子どもたちのためにもなります。

よく見ていれば、
危険を察知できる可能性が高くなる、
木を楽しんでみている大人が
そばにいれば、
楽しむことに天才的な子どもたちが
木を見る楽しさに目覚めないはずがない。

子どもたちに、日頃から、接している方たちは
エネルギーがあるし、行動的なので、
研修後の波紋の広がりが、
思った以上の大きさです。

ですが、「木が気になる」
に関しては、そりゃそうでしょう、
とも思います。

木は、それくらい魅力的な存在なのだから。

私の先生たちは、60年以上、
私の場合でも、約30年、
毎日毎日、樹木、樹木、
と思って過ごしていますが、
飽きることはなく、
知れば知るほど、
木々は、圧倒される魅力の持ち主。

こういうのは、
ことばで説明を聞くよりも
体験するに限ります。

温かい室内では、
『図解 樹木の力学百科』などの本をながめ、
今は寒いですが、健康のためにも、
たまには外に出かけて
落葉した木々の美しい枝を眺めてみるのは
いかがでしょう?

美しいものに、惚れ惚れとする時間、
なかなかにオススメです!
周りの車や人には気をつけて、ですけどね。


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樹木も人も笑顔に、樹木医mimi  ( 三戸 久美子 )
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