6年『自分を守る力って?』【節度、節制】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『6年「自分を守る力って?」【節度、節制】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
この内容項目は「節度、節制」です。
『分かっているようで分かっていない』と
よく言われる内容項目です。
子どもが、じゃありません。
教師がです。
節度と節制の違いってなんでしょうか?
どちらが大切なのでしょうか?
そもそも、節度って何・・・?
今日は、これらのことについて、
考えていきましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
A 主として自分自身に関すること
「節度、節制」
5・6年の目標・・・・
安全に気を付けることや、生活習慣の大切さについて理解し、
自分の生活を見直し、節度を守り節制に心掛けること
6年生「自分を守る力って?」(日本文教出版)
あらすじ
ヒデキはお母さんにおつかいを頼まれましたが、トシオに誘われてサッカーをしました。
その後、スーパーに行こうとしたら中学生が、
「財布を落として困っているんだ。君、お金を持っているんだよね。貸してくれないかな。」と言われました。
ヒデキは困ってしまいました。
また、他にも似たような場面があります。
①真っ暗な道を急いで帰っていたら自転車にぶつかりそうになった。
②知らないお兄さんから、「かわいいから写真を撮っていいかな?」と言われた。
連れて行かれるわけではないので、「いいよ。」と返事をした。
③知らないお姉さんに道を聞かれた。道だけ教えたが、「わからなくなったときのために、携帯の番号を教えて。」と言われたので、番号を教えた。
④おじさんの家で、お酒に酔ったおじさんが、「飲んでみるか。」と勧めてきた。タバコはだめだけどお酒は少しぐらい大丈夫かなと思った。
2 内容項目と教材
節度と節制、この2つは、似て非なる言葉です。
簡単に言うと、
節度はルール
節制はルールを守ろうとする心
です。
「節度ある行動」という表現は、「世間一般の常識から外れない行動」ということです。
教材ごとに、節度(ルール)について考えるのか、
節制(ルールを守ろうとする心)について考えるのか、
重きはどちらにあるのかを見極める必要があります。
「自分を守る力って?」はどちらに該当するでしょうか。
「節制」に当てはまります。
それぞれの場合で「節度」は変わります。
そして、それぞれの場合に応じて「節制」の心の緩みやすさに違いがあることに気付くことが、この授業の核となります。
ヒデキは、お母さんにお使いを頼まれましたが、途中でサッカーをしてしまいました。
「自分のやるべきことをやる」という節度に対して、節制の気持ちが足りなかったので、サッカーへと流されてしまいました。
「ちょっとぐらいならいいか。」と自分の『サッカーをしたい』という思いを抑えることができなかったのです。
また、中学生に「お金を貸して」と言われたときは、困っています。
おつかいのためにお母さんに渡されたお金ですから、中学生に貸すことはよくないです。
また、「貸す」はただの口実で、実際はお金を取っていくだけの魂胆も感じられたのでしょう。
ヒデキは、「お金を渡すのはよくない」という思いが先行して、でも中学生の威圧感からか断れなくて困っています。
「お金はおつかいのために使う」という節度に対して、節制の気持ちが追いついていると言えます。
この2つの出来事を並べてみると、
節度はあるが、節制の心にちがいがあります。
「ルールは守ったほうがいい」という思いがあるけど、「自分がしたい」と思ったサッカーの方は節制の心がついつい緩んでしまっています。
友達に誘われたり、自分がやりたいと思ったりしたことは、節制の心が緩みやすい、ということがここからわかります。
では、①〜④の場合はどうでしょうか。
節度はなにか、節制の心はどうか。緩んでいるとすれば何が原因か。
子どもたちと話し合ってみたいですね。
一応、わたしなりの見解を書いておきますが、この限りではありません。
子どもの発想をぜひ受け止めてあげてください。
①自転車にぶつかりそうな場合
節度・・・暗くなる前に家に帰らないといけない。
節制・・・交通ルールは後回しで、とにかく家に帰ろう、と規範意識が緩んでいる。
②知らない人に写真を撮っていいか聞かれた場合
節度・・・知らない人に不用意に自分の情報を教えてはいけない。
節制・・・「かわいい」と言われて好意的だったので、悪い気はしなかった。また、連れて行かれるわけではないので、あっさり了承したので、自分を守る意識が緩んでいる。
※実際の事例として、写真を撮った後に「ネットにばらまく」「嘘の情報をつけて流す」と脅されて、金銭を要求されたり誘拐された事件があります。
③道を聞かれて、携帯番号も教えた場合
節度・・・困った人には親切にする。知らない人に番号を教えてはいけない。
節制・・・道を教えて親切にしたが、番号を教えることも親切の一環だと思い、番号を教えた。
④お酒をすすめられた事例
節度・・・子どもはお酒を飲んではいけない。
節制・・・タバコはだめだけど、お酒はいい、と自分で勝手に理由をつけて、節制の心を緩めた。
いずれも共通するのは、「これぐらいならいいか。」という第一歩目を踏み出すことの軽薄さです。
だからといって全ての場合がダメというのは乱暴な結論です。
例えば、③の場合は、本当に心配な人が、困ったときのために番号を聞きたかったのかもしれません。
①の場合は、お家の人との約束を守ろうと一刻も早く帰ろうとする気持ちの表れです。
大切なことは、「どんなときに節制の心が緩みやすいのか」共通する場合や、そのときの心を考えることです。
1つ1つの場合で、子どもはどう感じているか、話し合ってみましょう。
これまでの経験から、意外と考えが分かれるものです。
また、本音と建前が入り乱れる教材でもあります。
建前ばかりでは面白くないので、本音も出るような雰囲気で授業を進めたいですね!
3 導入
T:教師 C:子ども
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