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「本当に才能のある人とはそれをしないではいられない人だ」

いま思い出すと、うちの親に、「本当に才能のある人とはそれをしないではいられない人だ」と子供の頃によく言われていたんですよね。

福里真一『電信柱の陰から見てるタイプの企画術

結局、福里真一さんは「それをせずにはいられない何か」を探して、見つからなかったと答えている。
しかしそんな福里真一さんは、誰もが知る有名CMを、1つどころか多数作った凄腕プランナーだ。

  • ジョージア「明日があるさ」

  • 富士フイルム「フジカラーのお店」

  • トミー・リー・ジョーンズ主演のサントリーBOSS「宇宙人ジョーンズ」

  • トヨタ自動車「こども店長」

「自分には才能がない」という諦観のような感情が、かえって成功の種だったというのが面白かった。

才能がないと分かっているから、トライ&エラーも苦にならないし、クリエイターとしての我を出すより、顧客のニーズを最優先できる。
人から依頼を受けて文章を書くフリーライターとして、学ぶことの多い本だった。

しかし。
しかしそれでも、「それをせずにはいられない何か」をもっている人への憧れはある。
ないならないでなんとかなるけど、あるに越したことはないよね。
才能に対して、そういう気持ちがある。

私にとっては「書くこと」が「それをせずにはいられない何か」なのだろうか?
思えば二次創作の小説から公用文書、そしてSEO記事まで、人生の至るところで文章を書いてきた。

しかし寝食を忘れるほどではないし、私と「書くこと」にはどこか一定の距離がある。
それは、本気になったら直面するであろう「才能のなさ」に恐れを感じているのかもしれない。

本でもYouTubeでもラジオでも、コンテンツを楽しんでいる時にふと思う

「でもあなた(著者やYouTuber)って、もう何者かになっていますよね?」
「才能がある側の人間、または才能のなさを恐れずに行動した側の人間ですよね?」

逆恨みというわけではないのだが、発信する側の人たちに対して、勝手にどこかで線引きしてしまう。

じゃあ私もそちら側へ行ってみようか。
そういうわけではないが、noteを始めた。
前から読んだ本の記録をつけたいとは思っていたのだが、「書評」とまでいえるものを書くのは正直言って面倒くさい。

自慢じゃないが私は記憶力が悪く、読んだ本や見た映画は、よほど印象に残るものじゃないとすぐに忘れる。本当に。
週に2~3冊は本を読むが、読んでいるだけで活用できているかといえば微妙だ。

でも時々、「本の内容はほぼ忘れたが、あの1文が良かった」みたいな欠片だけが残ることがある。
だからそれを残していくnoteを作ろうと思った。

週1回くらいの更新を考えているが、続かなかったらきっと、これは私にとって「それをせずにはいられない何か」ではなかったのだ。
そしてもしそうだとしても、それは必ずしも悪いことではない。

そう思わせてくれた、後ろ向きなのに挑戦心を後押ししてくれる『電信柱の陰から見てるタイプの企画術』を1回目に選んだ。
来週は何を書こうかな。


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