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俳句

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#日記

2月の俳句②

歌うよう発したき言葉なり立春 寒明けの報せベランダ越しに聴く 席空けて三三の噺ミモザの黄…

春野 惠
3年前
22

1月の俳句2022

雪女小さき布に隔てられ 初空や話し相手のいない旅 会いたいと毎年添える年賀状 静けさや回…

春野 惠
3年前
19

12月の俳句

本堂に響くピアノや冬もみぢ 菩提寺の銀杏落葉を掃く庭師 山茶花やマリンビストという少女 …

春野 惠
3年前
16

11月の俳句

とろとろと夢の続きや吾亦紅 騒がしき人の世照らすまるき月 隠しても仮装仮面の中の霧 見え…

春野 惠
3年前
12

十月の俳句

真夜中の飲食に似て秋の風 新酒汲み緊急事態解除かな 芒揺れさゆらぎもなき姫の愛 秋の声や…

春野 惠
3年前
11

ダメダメすぎる

すべてが後回し 後手後手 切羽詰まっている 提出間際に突貫作業 ずっと変わってない 夏休みの…

春野 惠
3年前
10

九月の俳句

記憶から溢れ落ちたる風の盆 長き夜だれのせいでもないノオト 厄日の空ラストシーンは銃の勝ち レモン色の檸檬絞りて銀河駅 受け入れて言い訳せずになる葡萄 ずぶ濡れのセーラー服や秋の朝

子ガッパのコンチと赤い帽子

これは、ほんとうにあったお話で、ついこのあいだの出来事です。 ある川に、今でも(数は少な…

春野 惠
3年前
11

八月の俳句ーオリンピック

跳ぶ奔る汗の翼を隠し持つ 自堕落にながらテレビの夏五輪 夏草や雄叫び上げて伸びてゆけ 雷…

春野 惠
3年前
9

日常へ

ミヤマキリシマは二年見ていない 毎年見に行っていたのに ジャガランダの花はもう終わった は…

春野 惠
3年前
6

明日もうまく目覚めれば

もうすぐ92歳になるよ 妻に先立たれて一人暮らしも慣れたもの まだ免許返納していない 息子か…

春野 惠
3年前
5

雨が流したもの

すっきりしたベランダは すっきりした分だけ汚れが目立つ クリーム色の壁の デコボコの塗装の…

春野 惠
3年前
4

7月の俳句

幼らは呼吸整え夏帽子 芝居小屋しずまりかえり雨の音 朝採りの枇杷と子猫と直売所 もういい…

春野 惠
3年前
2

5月の俳句2

点滴の紫斑の残る手細き初夏 母の日やコアラのマーチ持たされる 病床にてまり花の句散らばって 春暮るる絵本作家の黒手帳 夏立ちてシャッター下りた商店街