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2024_0323_本読み

<1567字>

冒頭の写真:
見上げる方向から撮った貝母ばいも。今年の貝母は葉先の巻きが少ないような気がします。



3月23日(土)は以下を読みました。


『巨匠とマルガリータ』 
ブルガーコフ 著

集英社 世界の文学15 ロシア Ⅲ

「巨匠」はもはや何の創作意欲もなく、ただマルガリータと居れればいいと。いろんな人が次々と「召喚」されて現れました。ヴァラエティ劇場の総務部長ヴェレヌーハ、マルガリータの女中のナターシャ、豚にされてた夫のニコライ・イワノヴィチなどなど。
そして、ベルリオーズが滑って死ぬきっかけとなった、ひまわり油を運んだ女中のアーンヌシカが、一階下の48号室に現れます。
この人はどういう役を果たすのでしょうか?
「巨匠」が書いていた、ピラトとキリストの話をちゃんと最後まで知りたいなぁ、と思っています。評論家から貶され「炎上」した理由が何なのかを知りたいです。社会主義下でのキリスト教の扱いに関係することなのでしょう。
と書いてきて、ふと気になり、このお話の冒頭ベルリオーズとベズドームヌイの会話を読み直してみました。ベルリオーズはイエスという人物の存在すら認めない無神論者のようです。

(音読した人:山崎)





『科学と宗教と死』 加賀乙彦 著

集英社新書

奥様をくも膜下出血で失います。健康にとくに問題を感じない日々の、急なできごと。驚きと悲しみはとても大きかったことでしょう。
キリスト教での死後は、天国、煉獄、地獄があって、ダンテの神曲の地獄編ではプラトンやアリストテレスも地獄にいて、理不尽な扱いだなぁ(なぜならキリスト教成立以前の人々だから)などの挿話は深刻さを和らげるおかしみがありました。
キリスト者となったため、家の菩提寺のお墓に入ることを拒まれて、まあそれもごもっともと思い、つてをたどってどの宗教でも入れてくれるお寺を見つけて、そこにお墓を作ります。
親の介護本番に入ってる山崎なので、ふむふむと身近に感じて読みました。

『葬式格差』(島田裕巳、幻冬社新書)など読むと、葬儀やお墓はほんとうに興味深いです。

(音読した人:こいでさん)





『ながーい5ふん みじかい5ふん』
リズ・ガートン・スキャンロン、
オードリー・ヴァーニック 文
オリヴィエ・タレック 絵

光村教育図書

時計で測れば同じ5分。それが状況によってすごく違って感じられます。いろんな例でそのことを見せてくれました。
大人とこども、それぞれの5分があるのが面白かった。
山崎が5分を感じる時、はいつかなぁ。意外に思いつかないです。
10分なら土鍋で炊くご飯が煮立つまで(夏)。
コーヒーを淹れる時の800ccのお湯が沸くのが5分くらいかな?
(測ってみよう。。)

(音読した人:はやしさん)





『犬が星見た』 武田百合子 著

岩波文庫

ロシアから北欧へ移動するスカンジナビア航空の機内。

トイレにあつぼったいしっかりした紙がある、流れるのは香りのある菫色の水。
コックの服を着た料理人がジュージューいう熱い肉をサーブしてくれる、高度が上がっても機内が寒くならない、
などなど。

ロシアと違うところを書いてくれるてるのが、そのままコミカルです。

(音読した人:きよもとさん)





『芭蕉七部集』  中村俊定 校注

岩波文庫
『猿蓑』
☆                   
今日も「月」の句が続きます。
故事(遍照のことや南部馬を朝廷に献上する話など)、そして身近な人の死の悲しみなどをとりあわせて句を構成していて、
句集ってほんとに広がりのある世界が作れるものだな、と思いました。

〈 仲秋の望、猶子を送葬して
  かかる夜の月も見にけり野邊送  去来 〉

猶子、が読めなかったですが、ゆうし、と読み、甥のこと。
去来の甥が元禄3年8月14日に亡くなったそうです。

(音読した人:山崎)

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