2022_0424_本読み
<1919字>
冒頭の写真:
空中のイモムシは何をしているのかな。
糸をたぐって、元の葉に戻ることはできるものなのでしょうか。
それとも地面に降りてから、木に登り返すのでしょうか。
イモムシにしてみれば、大ピンチのような気もしますが、見ている私からすれば、なにかのんびりしているようにも見えてしまう。
実際はどうなんでしょう。
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4月24(日)は以下を読みました。
「数学と生成文法」
黒田成幸 文
『新・自然科学としての言語学』 福井直樹 著、ちくま学芸文庫
に、付録として収められている文章
1 ヒトとコトバ、数学の天才と数覚
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今回から新しい本。これ、全部読むかわからないです。ちょっと試し読み。
〈 数学の天才は数覚で数学的事実を理解し、〉
〈 ヒトはだれもがコトバの感覚を生まれながらに備えていて、みなが天才として母語を獲得し、〉
人の感覚って、いろいろ。
その中でことばの感覚は普遍的で、みんなが天才っていうのが不思議だし、すごいです。
ヒッポファミリークラブから芋づる式にチョムスキーの生成文法に興味を持ったのは一昨年くらいだったでしょうか。このときは直感で感情的に興奮していました。
それから、ヒッポの仲間と『統辞構造論』(福井直樹訳)や原著の『Syntactic structures』読んだりしました。
難しさを実感しました。
それは言語学の天才が、掴んだことを、そのまま書いているからですね。
だから、そのことばに慣れないと、さっぱりわからないんですね。
ただ、この文章は、副題が
「説明的妥当性の彼方に」、そして言語の数学的実在論
福井直樹へ贈る一つのメルヘン
という、魅力的なもので、わくわくです。メルヘンですよ。
わからない、と思いながらも、手をつけずには居られなくなりました。
(音読した人:山崎)
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『学問のすゝめ』
福沢諭吉 著、岩波文庫、
八編 わが心をもって他人の身を制すべからず
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男女の地位について(たとえば、女性に選挙権があるようになるのは、はるか後の昭和21年のこと)。
「おめかけさん」が禁止されたのが大正時代、と、きよもとさん。「ハイカラさんが通る」にそういうエピソードがあったそうです。
現在もなかなか女性の社会的進出が進まない日本。
(音読した人:めいさん)
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『セッセとヨッコラ ヒョゴーどうくつのたんけん』
高畠 那生 作・絵
フレーベル館
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こどものときに弟とこんなことしてたな、という、めいさんの感想がよかったです。
寝床でなかよしの二人が繰り広げる、眠る前の「妄想」なのだけれど、
内容がとても夢っぽかったです。
(音読した人:はやしさん)
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『目の見えない人は世界をどうみているのか』
伊藤 亜紗 著、光文社
第1章 空間 見える人は2次元 見えない人は3次元
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いろんな例が散りばめられていました。
48才で斜視が直り、立体視(つまり普通の視覚ということ)ができるようになった人は、はじめて空間を感じて、みずみずしい喜びを味わいました。
日常がその視覚の「見える人」は世界を平面化して理解しています。
「見えない人」は否応なく、世界を立体的に把握しています。
(フジツボのような富士山のイラストがありました)
これらの関係がおもしろいな、と思いました。
(音読した人:こいでさん)
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『本の中の世界』
湯川秀樹 著
岩波新書
「文章軌範」
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湯川さんが、新聞などに依頼されて短い文(随筆)を書く時、どういうものが影響しているか、と自分のことを分析していきます。
物理学関係のことを書くのがほとんどだから、ポアンカレ、プランク、ホルムヘルツ、などの科学者のものを参考としてるのは確か。
日本語としてはなんといっても徒然草である、としつつ、徒然草では科学を表現できない、と書いていました。
(この感覚を不思議に思います。最後まで読むとわかるでしょうか?)
それで、でてきたものは、素読で親しんできた「文章軌範」でした。
この中国の古典が、どのように「科学」を書くのに役にたったのか。そこ、非常に興味を感じました。次回が楽しみです。
(音読した人:きよもとさん)
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『芭蕉連句集』
岩波文庫、松尾芭蕉
三一 御尋に(曾良俳諧書留)105〜107ページ
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〈 果なき恋にながきさかやき 木端〉
ながき さかやき とはいったいどういうことなのでしょう。そしてそれがどのように、恋と結びついているのか。
そう思っているうちに、あの髪型は本当に奇妙だな、と改めて思ったりしました。どこの国も、昔はいろいろおかしな髪型がありますね。
と書いたあとに『校本芭蕉全集第四巻連句篇中』を見ると、恋に患ったために、毛がのびてしまっている意味でした。
そういうことか。
(音読した人:山崎)