2024_1221_本読み
<969字>
冒頭の写真:
境界標を読み取りたい。
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12月21日(土)は以下を読みました。
『犬の心』
ブルガーコフ 著 石井信介 訳
未知谷
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息詰まる描写が続きました。睾丸以外に、脳も移植して、オペ終了。
虫の息になってしまってる、シャリク。
(音読した人:山崎)
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『ホッキョククジラのボウ 』
アレックス・ボースマ 作・絵、 ニック・パイエンソン 作、千葉茂樹 訳
小学館
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なによりもおどろいたのが、ホッキョククジラは最長200年も生きるという事実。その視点でみたら、今の地球の変化はすごいことでしょう。
(音読した人:はやしさん)
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『ひらがなの世界─文字が生む美意識 』
石川九楊 著
岩波新書
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寸松庵色紙から再び紹介されたのは、左にぎゅっと寄って書かれていて、右半分以上が余白。
〈 花見つゝ ひとまつときの しろたえへの そてかとのみそ あやまたれける 〉
が、それでした。訳は
〈 菊の花を眺めながら人を待っていると、白い菊の花を、つい待ちわびる人の白い袖かと見まちがえてしまう 〉
です。歌の内容にしても、書かれた書にしても余白がすごい。こんなにも補わないと、素人の山崎には意味がわからない、その感じがすごいです。
また「色紙」という画面も興味の範囲に入ってきました。
(音読した人:きよもとさん)
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『漱石・子規往復書簡集』 和田 茂樹 (編集)
岩波文庫
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漱石の48通目。明治28年11月13日。1895年。
俳句47句。
〈 朝桜誰ぞや絽鞘の落としざし 〉
に
〈 ケ様ノモノアルニヤ 〉
って、子規がコメントしていて、ケ様、は何か?と思ったのですが、この「ケ」は何個を何ケと書く「ケ」で、このようなものあるのか?、って意味かな、と思いました。「絽」を巻いた鞘、についてですね。
(音読した人:めいさん)
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『芭蕉七部集』 中村俊定 校注
岩波文庫
『猿蓑』
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〈 知人にあはじあはじと花見かな 去来 〉
〈 ある僧の嫌ひし花の都かな 凡兆 〉
知ってる人に会わないように願いながら、忍んで花見をしたり、けばけばしいのが嫌いな高僧を持ち出したり、の句が続き、蕉門の俳句についての気分が伺えました。桜が満開だから花見に繰り出して、みたいなのは無粋だってことでしょう。
(音読した人:山崎)