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冒頭の写真:
いろいろばたばたが重なって、11月9日、13日、16日、と書き出しが溜まってしまったので、まとめて書くことにします。

さて、↑の写真。団地の長ーい仕切りというか生垣というかとして植わってる灌木なのですが、名を知りません。画像検索すると、コバンノキなどが出てくるのですが、コバンノキの実物を知らないので確認できません。


11月9日(土)、13日(水)、16日(土)、は以下を読みました。


『犬の心』 
ブルガーコフ 著 石井信介 訳

未知谷 

傷の治療を受けて目覚めた野良犬のシャリクが、眺めたのはフィリップ・フィリッポビッチの診療っぷり。若返り手術で心理につけ込まれいいように扱われる老婦人、ED治療の成功でウハウハになっている中年紳士オヤジ、など。
このやり手の医者に絡んでくるのが、住宅委員会。追い出し工作が掛かってきますが、そんなことに頓着せず、必要な筋の顧客に嫌がらせの電話をして、押し込んできた住宅委員会の面々を、とりあえずこの場ではやり込めます。
IIを読み終わり、長い訳注。
通りの名前の由来が興味をそそります。モホバヤ(苔売り)通り。住宅の隙間に埋める「苔」を売っていたそうです。
最も長かった注が、エリセーエフ兄弟商会。 この子孫セルゲイは日本に留学、夏目漱石とも親交あり、アメリカで「日本学」の学者となり、ライシャワーとかドナルドキーンはその教え子。
長いので注の途中で止めました。
前に読んでいただいた、中勘助の「銀の匙」の注を思い出しました。
違う時代の違う場所のことを読むには、こういう注がとても面白いです。

(音読した人:山崎)





『Edge Life』
金星一 著


12 成功ウイルス 13 直感の確率
国際機関で、どのように活躍の場を得ていったのかを、実名を出しながら、生々しく、書いていました。
「この人」という重要人物の居るところに、入り込み、「ここぞ」というところで積極的に繋がりを作る、という様子がよくわかりました。すごいです。

(音読した人:こいでさん)





『ひらがなの世界─文字が生む美意識 』
石川九楊 著

岩波新書

前回『寸松庵色紙』では「掛字」がでて来、今度は一つの字が二つの字を同時に表す「兼字」というのもでてきて、省略することが一つのお約束みたいになってるんですね。ちょっと前のLINEで「了解」が「りょ」に、そしてついに「り」になってしまったことを思い出しました。

そこまで短くしても伝わるっていうことが、面白いし、笑っちゃいますよね。

『秋萩帖』では、さらに省略のパターンが紹介されて、歌に「霧」があるから、隠れて見えないってしゃれで、書かない字を作るとか、似てる字を似せて書いて、一字で二字を表すとか、しゃれのめす感じですね。

こういう遊びは、いつの世にも形を変えてあると思います。
「ことば」は多義なものだから、いろいろ遊べますね。その多義性をグラフィックというか変えようの無い形にして表す時、どんなふうにするかってことが腕の見せ所。

(音読した人:きよもとさん)





『漱石・子規往復書簡集』 和田 茂樹 (編集) 

岩波文庫

漱石の俳句がたくさん。子規に添削してもらうために作りまくってる感じ。子規の短い評が、辛口で面白いです。俳句にあらず、とか、拙、発句にては  まじ、とか、
どんなものが、子規の思う「俳句」なのか、ということが浮かんできもしますね。写生、がいいのか、とか。景色、であって、人とか感情は、前面に出るものではないのか、とか。
わずかの文字で、景色を写生する、かっこいいと同時に、いったいどういうことなのかな?と興味も湧いてきます。

(音読した人:めいさん)





『芭蕉七部集』  中村俊定 校注

岩波文庫
『猿蓑』
☆                   
〈 山吹や宇治の焙炉ほいろの匂ふ時  芭蕉 〉

読んでいたら、山吹とお茶と季節が合わないような気がしました。が、画讃、とあるので、山吹は絵か、と思いました。いつも参考にさせていただいてる現代語訳サイトで、宇治はお茶だけでなく、山吹でも有名と知り、なるほど、と納得。

(音読した人:山崎)




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