2022_0404_本読み
<1735字>
冒頭の写真:
さくらはね、あまり見ても仕方がない、と今年は思いました。
夢の一場面で、さくらが散っていて、
ドリームワークの友達に、そのレビュー(思い返して、新たに書き出し直す)をしゃべっていたら、
まどさんの詩を思い出しました。
今年の1月に読んでいただいた「さくらのはなびら」という詩でした。
(Facebookにリンクしてみたけれど、どうなるのかな?)
えいえんに、とてもゆっくり、おちつづける、さくらのはなびら
という感覚が自分の中にできるのが、不思議です。
これは、ことばでしか表現できないなぁ、と感じました。
咲いてるさくらよりは、散り敷いた はなびらの方が、まだ似合う、と、撮った写真。
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4月4日(月)は以下を読みました。
『振仮名の歴史』
今野真二 著
集英社、2006年刊
第四章 明治期の振仮名
第三節 翻訳小説の振仮名
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まずは『回世美談』(山田正隆 訳、明治10(1878)年刊)。現在は『ロビンソン・クルーソー』などの題名で知られています。
外来語が、傍線付きで、リキウ酒(リキュール)、パン、などと片仮名で書かれてる一方、
主人公は「狗兒僧」と書かれています。「ロビンソン」はどう書いているのか、それは図版部分にはないのでわかりません。
著者がこれを
〈「漢字で書きたい!」ためであろう。〉
と書いているのが楽しいです。
今の常識とはずいぶんちがった、振仮名が面白いのはもちろんなのですが、変体仮名がけっこう多いのと、動詞や助詞などにも片仮名がでてくるのが新鮮。そして、句読点がないです!
(音読した人:山崎)
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『根っこのこどもたち目をさます』
ヘレン・ディーン フィッシュ 作、ジビレ・フォン オルファース 絵、いしい もも 訳、童話館出版
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絵の作者は1916年に肺を病んで34才で亡くなった、ドイツ修道女。(第一次大戦中のドイツのどこにどんなふう生活して亡くなったのでしょうか。)
文の作者はアメリカの児童書編集者にして作家の女性で第一回コルデコット賞の受賞者。この本の原著は、ちょっと検索すると、1930年刊のものを発見しました。
どういう経緯で、この本ができたのかちょっと知りたくなりました。
かわいい小人とリアルな虫の描写に、ヨーロッパを感じました。
(音読した人:はやしさん)
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『とこしえのお嬢さん』
野見山暁治 著、平凡社
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「ぼくは勇気がないのです」(小磯良平)と「武士は食わねど」(篠原一男)という、二話。
今日も、実に面白かったです。
小磯良平の方は、
最後まで自信のなさを顕にしていたのが、底が知れない、
と違和を書いて終わっていて、
ああ、こんな感じなのね、
ってわかった気にさせないところに、文の「芸」を感じました。
篠原一男の方は、なんちゅう人!って思ってしまいました。
施主の意向は無視。自らの表現に迷いなくつっぱしる建築家。
完成した家に住む人を
〈 そこに居座るのは下等動物ばかりだ 〉
と、著者が篠原一男になりかわったごとく書いているのに、
とても笑ってしまいました。
(音読した人:こいでさん)
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『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』
斎藤倫 著、高野文子 絵
福音館書店
9、ほんとのこと?
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「句集 無伴奏」(岡田幸生)が引用されていました。
いかにも俳句集といった、レイアウトなのですが、明らかに575でないものも多いです。
もしかしたら、
「句集 無伴奏」という題名の、
俳句集という形を借りた、
詩なのかもしれない、
と思いました。
小学生の「きみ」が言う、俳句の方が「ほんとっぽい」という感覚は、わかるようなわからんような。
「ぼく」と「きみ」の関係が少しずつ明らかにされて、こっちの物語にもひきつけられます。
(音読した人:きよもとさん)
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『芭蕉連句集』
岩波文庫、松尾芭蕉
三〇 さみだれを(芭蕉真蹟懐紙)102〜104ページ
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〈無人を古き懐帋にかぞへられ 一栄
やもめがらすの迷う入逢 川水 〉
前に書いた、無人の後は、こうつながってました。
古い懐紙に居並ぶ、今はもう亡くなったすばらしい歌人?俳人?の中に、
迷いこんだ無縁なからす、という見立てなのかな〜と想像しました。
入逢(入会)は共同管理してる山林などのことらしいので。
(音読した人:山崎)