見出し画像

公立病院改革4-9【出口がない事業】〈2007年〉医師・通勤用ヘリコプター事業

こうして各種広報活動により、医師通勤ヘリの事業は全国に知れるところとなった。

しかし広報の成功と、ビジネスとして成立するかどうかは別問題だ。

ところで、この事業にも一応ビジネスモデルがあった。

医療に詳しい当事務所が、全国の医師派遣に困る病院に「ヘリ通勤」を呼びかける。
当社が地域ごとにヘリ会社が有する有休(稼働率が低い)ヘリコプターを、そういう病院に斡旋する。

そして、当社がその斡旋手数料をいただくという形だ。


ただ、それを病院側から?ヘリ会社側から?どのくらい?受領するのか?
それを何件実施すると事業として成立するのか?

という計算が成立していなかった。
少なくとも僕の脳内では、想像が付かなかった。


あるとき、ボスから某・大手証券会社の子会社に事業説明に行くように言われた。
いつの間にかそのような人脈も有しているあたりも、さすがだと感じる。

大手町の大きなビルの上層階で、その子会社社長に一通りの事業説明を行った。
するとその社長は、次のように言い放つ。

「この事業は、EXIT(エグジット)できませんね」

えぐじっと・・・EXIT?

これは何の意味だろう、、、出口、か。
出口ができない、出口がない、、、のかな。

要するに証券・金融の立場からは投資価値が見い出せない、という意味だった。


いいなと思ったら応援しよう!