公立病院改革3-37【公募業務 準備開始】〈2006年〉東北170床 公立F病院
前回記したように、債務負担割合の協議・裁定という大問題はあったが。
プライオリティは、やはり「廃止させない、民設民営による存続」が圧倒的に高い。
負担割合がどうなっても、廃止となって債務一括償還が実現すると、両市とも存続の危機に陥るからだ。
両市議会の全員協議会が、民設民営方針に同意して動き始めたのが12月。
自治体としては、翌年度予算に持ち越せない事案であるから、リミットは翌年3月。
そこまでに、民間への事業譲渡を完了させなければいけない。
そのために、承継先となる民間医療機関の「公募」を行うことになる。
公募業務の仕切りは僕が行うが、僕が公募して、僕が事業者を選定するわけではない。
公募そのものは病院事務組合が実施する体裁をとり、実際の選定作業は「選定委員会」が行う。
そう、僕が仕切るべきは、病院事務組合とともに「公募要項の作成と公布、マスコミ発表」を進め、かつ「選定委員会」を組成して運営することである。
世の中全般に「事業者公募」の先行事例はたくさんあるし、ボスは「委員会組成」が得意だったから、僕もそのやり方に倣って業務を進めた。
我ながら、自分は実はこういう仕事が向いている、と思ったものだ。
いまも民間M&Aの局面でデューデリチームを発足して、買手側FAと行動を共にして、売手との折衝に加わる。
そんなプロジェクト系の仕事になると、他の様々な業務以上に、カラダが軽いと感じながら取り組んでいる。
さて、選定委員会を組成するとして、この手のことは「アタマ(委員長)」から決めて行かないと始まらない。
実は、そんな単純なことも、この公立病院改革の仕事を通じて初めて知ったことだ。
確かに5人の委員会を作ろうといった時に、A席からE席を順番通りに決めて行って、誰も委員長になってくれなかったら本末転倒だ。
まず委員長、露出が多く責任負担も大きい人から選定するべきだ。
ボスに相談したら、それは例の「J准教授がいいのでは」という回答だったので、J准教授に打診したところ、即時に応諾してくれた。