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公立病院改革3-46【最初の病院 熱い想い】〈2006年〉東北170床 公立F病院
まず当日は、新幹線で仙台に行き、F病院に届けられている「2団体の応募書類」を受け取った。
そして、そこから2団体に連絡して、ヒアリング面談のアポイントを取った。
最初に行ったのは、F病院と同一医療圏内にある「小規模な病院」のほうである。
小規模といっても60床近くあり、老健も持っている。
行ってみると敷地は広く、非常に堂々たる佇まいの病院であった。
最初に手にした商品、最初に見たクルマ、初見の住宅など、初めてのものというのは欲しくなるというが。
僕はもう、初めて見たこの立派な病院でいいのではないか、と心から思った。
理事長・院長、事務局長などが登場する。
たしか、看護部長も来ていた気がする。
面談して、あらかじめ想定していた質問を投げかける。
正直、この規模で自分のところより大きい分院を持つ、というのは大変な話だ。
だが、より大きい病院を有することが、非常識とまでは思わない。
クリニックしか持っていなかった団体が病院を持ったり、より大きい病院を買収する事例は数多くあった。
この病院の理事長には、熱い想いがあった。
新人コンサルの僕に、その想いがビンビン伝わってくる。
こんな熱いものを持っている医療機関に任せれば、何としてもあの病院を復興、再生してくれるだろう。
僕はすっかり、その気になっていた。
しかし、決めるのは僕ではないし、何よりもう一団体の大切なヒアリングが残っている。
朝、東京から新幹線で仙台に来て、F病院に立ち寄って。
そのまま午前中のうちに、最初の応募病院をレンタカーで訪問した。
そして、またレンタカーで仙台駅に戻り、次は、昼過ぎの新幹線で青森県、八戸を目指す。