【こんな映画でした】218.[山羊座のもとに]
2020年 7月30日 (木曜) [山羊座のもとに](1949年 UNDER CAPRICORN イギリス 117分)
ヒッチコック監督作品。主演はイングリッド・バーグマン(ヘンリエッタ)、というかこの映画は彼女のための映画であったようだ。夫フラスキー役にジョセフ・コットン。コットンよりもより中心となる男性に、マイケル・ワイルディング。
舞台は1830年代のオーストラリア。ここはイギリスからの流刑地。流されてきた犯罪人たちもその刑期を終えて、ここで生きていくことに。そんな一人がフラスキー。彼の経歴と妻との関係は、少しずつ分かっていくことに。
そういったミステリアス趣きもある映画。ヘンリエッタの体調不良の原因は何かと考えさせるミステリーというか、サスペンスの面がある。
『映画術』(ヒッチコックとトリュフォーの対談)によると、あまりにイングリッド・バーグマンにこだわりすぎての失敗作である、としている。あるいは技巧的にも[レベッカ]や[汚名]と類似しているとも。それは私でも感じたところだ。
ヒッチコックによるとラストの15分の脚本が、いま一つであった、と。とまれイングリッド・バーグマンのファンには見逃せない映画だということになる。もっとも製作されてすぐには、日本の場合、劇場未公開であったのだが。