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【こんな映画でした】624.[救命艇]

2020年 8月 3日 (月曜) [救命艇](1944年 LIFEBOAT アメリカ/イギリス 96分)

 ヒッチコック監督作品。戦争中のものなので、これはやはり国策宣伝映画ということになるか。もちろん敵はドイツ。Uボートに撃沈されて漂流する船に、何とそのUボートの船長が乗り込んでくる。この先どうなるか、というサスペンスではあるが、私にはイマイチだった。解説には「救命艇に乗り合わせた男女がおりなす密室ドラマの傑作!」とあるのだが。

 主演女優はタルーラ・バンクヘッドで彼女を中心に話が展開するといっていいか。ガス役のウィリアム・ベンディックスは先に[闇の曲り角](1946)で観ている。

 どうしてこんな映画をヒッチコックは作ったのだろうか、というのが見終わっての感想。やはりというべきかドイツ人は二人出てくるが、いずれも悪役である。連合国側はUボートには散々な目に遇っているので、それは致し方ないともいえるが。

 要するにヒッチコックが作る意味があったのかどうか、疑問の一作であった。登場人物たちにも共感できるような者はいないし、そういうことでも疑問の一作である。

 『映画術』でヒッチコックは、この映画はスリラーであって、メッセージではないと、当時の批判に抗議したようだが、無視されたとのこと。戦争に何らかの形で、参加もしくは貢献したいという気持があったようではある。

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