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【こんな映画でした】474.[クロワッサンで朝食を]

2022年 9月27日 (火曜) [クロワッサンで朝食を](2012年 UNE ESTONIENNE A PARIS フランス/エストニア/ベルギー 95分)

 イルマル・ラーグ監督作品。初めて。主役アンヌ役ライネ・マギ(撮影当時52歳)とともにエストニア人。映画のテロップではまずジャンヌ・モロー(フリーダ役、撮影当時84歳)。ステファン役はパトリック・ピノー(撮影当時51歳)。原題は「巴里のアメリカ人」をもじって[パリのエストニア人]といったところか。もっとも女性なので「エストニア婦人」か「エストニア女性」。

 雪の積もっているエストニアでの、母親の元にバスでやって来るアンヌのシーンから始まり、その母親がもはや老齢のために痴呆症気味であることが分かる。そしてその母親を看取って葬儀をした後、電話でパリでの仕事を受けることになる。いよいよここから本題。

 やはり老齢のフリーダという女性の家政婦としての仕事である。しかし最初から、案の定ではあるが、全否定される。そのようにしてこれまでの家政婦も辞めていったということが分かる。で、同じように意地悪をされたりして、という想像通りの日々が始まる。

 夜、仕事を終えた後アンヌは、初めてのパリの町を散策する。いかにも田舎から来た女性の風情。パリにあるエストニア人たちの教会にも行き、そこでフリーダのことが少し分かってくる。昔は教会にも来ていたようだが、何かがあって他のエストニア人たちとは没交渉になっているのが分かってくる。

 そんな中アンヌが気を利かせて、フリーダの元に昔の付き合いのあったエストニア人たち三人を招待する。しかし打ち合わせができていず、喧嘩別れで彼らは帰っていく。そしてついでにアンヌも追いだされてしまう。アンヌを失ったことが分かってようやくフリーダも気が付くことに。ラストは戻ってきたアンヌがドアを入ったところでのアップで終わる。

 中味は深刻だが、それぞれにそのような生き方しかできないのを、他の人と折り合ってやっていくということ。

 ジャンヌ・モローはさすがに若い頃の面影はもうかすかにしか残っていない。部屋に若い頃の写真が立てられてあった。アンヌ役のライネ・マギという女優はもちろん初めてだが、とても良い顔をしている。やはり映画はキャスティングだ。

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