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【こんな映画でした】685.[白い恐怖]

2020年10月 7日 (水曜) [白い恐怖](1945年 SPELLBOUND アメリカ 111分)

 ヒッチコック監督作品。そしてイングリッド・バーグマン主演。やはり綺麗で魅力的だ。たとえオーバーアクションとしても。普通、演技過剰な役者のそれは見てられないが、彼女に関してはそうとは分かっても、つまりやや過剰演技だとは思うが(言いつのるところなど)、それを許してしまう。やはり魅力的な俳優である。撮影当時29歳くらいか。

 相手役のグレゴリー・ペックも同じ年齢であったようだ。彼は[ローマの休日]の印象が強烈だが既に何本か観ている。ここでは役柄が役柄だけに生硬な感じ。

 そもそも「spell」には名詞として「呪文、魔法、魅力」、他動詞として「魔法をかける、魅了する」という意味があるとか。そして「bound」には自動詞で「心が躍る、躍進する、躍動する」という意味があるので、そこから「spellbound」は形容詞で「呪文で縛られた、魅せられた、ボーッとなって」という意味になるようだ。

 それはともかく映画のなかで色と言えば、「白」が象徴的に出てくるので邦題が決められたのかもしれない。原題は翻訳しにくいだろう。ヒッチコック監督作品の中の一つのテーマともいえる精神分析ものの映画。フロイトの名前が出てくる。

 なおラストシーンの拳銃を中心に捉えた撮影の仕方は斬新だ。銃口の向こうをイングリッド・バーグマンがドアの方へ歩いて出て行くのだ。そしてドアが閉まると、銃口はくるりと反転して持主の方へ。その手だけを見せる。最後、発射とともに一瞬赤くなるところも(全編モノクロ)斬新だ。

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