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【こんな映画でした】305.[ビバ!マリア]

2021年 8月 3日 (火曜) [ビバ!マリア](1965年 VIVA MARIA! フランス 116分)

 ルイ・マル監督作品。何とも奇天烈な映画であった。おとぎ話ということか。その内容のシリアスさをコメディタッチで描いているということなのだが。この映画を観たかった主たる理由は、やはり二人の女優の共演であろう。
 ジャンヌ・モロー(撮影当時37歳)とブリジット・バルドー(撮影当時30歳)。この共演はお見事としか言いようがない。お色気たっぷりで歌い踊るシーンはやはり見てしまう。見応えあり、だ。

 邦題は[ビバ!マリア]とするが、原題通り「ビバ・マリア!」でいいと思うのだが。ともかく二人のマリアが主人公の映画であり、男優陣は多分におそえものである。ジャンヌ・モローが唯一恋するのがフローレンスで、ジョージ・ハミルトン(撮影当時25歳)という二枚目。初めて。

 オープニングシーンでいきなりアイルランドでの独立運動、具体的には爆破を何度か見せる。これは一体何の映画なのかと思わせられるのだが、それがいわば伏線ということになる。深刻なアイルランド独立運動も、後で出てくる中央アメリカ(具体的にどこの国かは分からない)での「革命」の伏線でもあろう。

 しかし、どういう意図でルイ・マルはこの映画を作ったのだろう、と。解説によると、彼にとって初めての大作、つまり大金の掛かった映画だということ。したがって細かいところまで監督の希望が叶えられることが難しかったようでもある。つまり大金を掛けるということは、成功作というか興行成績の良い作品を作らねばならないからだ。

 あちこちにユーモアというかジョークというかの演出があるが、全体のなかではあまり目立たない。フランスでは流行ったということだから、彼らは大いに笑ったのだろうが。

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