【こんな映画でした】933.[ウンベルトD]
2020年 5月28日 (木曜) [ウンベルトD](1951年 UMBERTO D イタリア 88分)
ヴィットリオ・デ・シーカ監督作品。主演はカルロ・バティスティという当時の大学教授だったそうだ。つまりプロの俳優ではなかったそうだ。メイド役のマリア・ピア・カジリオも素人でスカウトされたようだ。撮影当時15.6歳。たしかにまだ子どもっぽい。
それにしてもほとんど救いのない絶望的な映画、いや現実である。戦後まもない頃だったのだろう。年金生活者にとっては、おそらくインフレでとても年金では食っていけず、筍生活という言葉が日本でもあったが、イタリアでも同じだったようだ。懐中時計や書物などを換金していた。
それでも乞食のようなことはついに出来ず、つまりプライドが許さないというのを表現していた。それでも生きていく支えは愛犬フライクで、最終的にこの犬とともに、言い換えたらこの犬のために生きていこうと決意していくような感じで映画は終わる。
なお原題は「ウンベルト・D・フェラーリ」というその人物名であった。