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【こんな映画でした】846.[熊座の淡き星影]

2023年12月 8日(金曜) [熊座の淡き星影](1965年 VAGHE STELLE DELL'ORSA SANDRA: OF A THOUSAND DELIGHTS イタリア 100分)

 ルキノ・ヴィスコンティ監督作品。クラウディア・カルディナーレ主演といっていいだろう、サンドラ役。マイケル・クレイグがその夫役。ジャン・ソレルが弟ジャンニ役。なお姉弟の母親役で往年名女優マリー・ベルが出ている。

 この作品では、クラウディア・カルディナーレが全編、ニコリともせず、むしろ苦虫をかみつぶしたような、あるいは憎悪に満ちた顔つきで演技している。相当にしんどかっただろう。

 その理由は、かれら姉弟の父親がユダヤ人として密告され、強制収容所で殺されているからだろう。密告者は誰かという問題があり、また母親が鬱病になって、といったいきさつもある。

 姉弟間の近親相姦といわれるものが、本当にあったのかどうかは、やや曖昧にしてある。姉弟が親しみからハグするのは普通のことであろう。それがやや過剰になった程度ではないかと私は推測する。

 とまれ緊張を強いられる映画であった。日本での公開が17年後というのは、やはりこの近親相姦というのがあったからかもしれない。

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