【こんな映画でした】298.[暗くなるまでこの恋を]
2021年 4月28日 (水曜) [暗くなるまでこの恋を](1969年 LA SIRENE DU MISSISSIPPI MISSISSIPPI MERMAID フランス 124分)
フランソワ・トリュフォー監督作品。カトリーヌ・ドヌーヴの悪女振りが見事だ。嫌いになるくらい、いやらしく演じている。逆に言うとそれほどに魅力的なのだが。現実にはお目に掛かりたくない人間だ。
そんなたわ言はともかく、ジャン・ポール・ベルモンドの唯一のトリュフォー作品とのこと。真面目なボンボン役を演じている。それが徹底しているので、ラストではついにそれにマリオンがほだされるということになるのだが。
このラストシーンは、どうなんだろう。ようやく愛に目覚めた時、二人は雪の中を歩いて行く、つまり死出の旅に出るということなのだろうか。分からない。どうもこのあたり私は頓珍漢だ。と、そこで思い出した。マリオンはその道を「あっち」と言うのだが、彼は「こっち」と言って、二人して歩いて行くのだ。やや分かりにくいが「あっち」とはスイスの方、「こっち」とは元来たフランスの方だと思う。だとすると彼らはフランスに戻り、自首するということになるのかもしれない。
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なお原題は、船の名前「ミシシッピ」の「人魚」ということのようだ。マダガスカル島の東にある小島へ着く船の名前がそうだった。そこに乗船していて「仕事」をしているマリオンがまさに「人魚」であったのだろう。要するに「美人局」か。