【こんな映画でした】920.[ゼロの未来]
2021年11月18日 (木曜) [ゼロの未来](2013年 THE ZERO THEOREM イギリス/ルーマニア/フランス/アメリカ 107分)
テリー・ギリアム監督作品。二年前に観た[未来世紀ブラジル](1985)の監督。その映画もシッチャカメッチャカであったが、今作もなかなか分かりにくい。同じことを主張しているとしたら、未来社会の全体主義的な社会の問題性であろう。
ただし、ここでは会社が「情報」の管理をやっている。主人公はそこで働く。そしてついに人間性を失っていき、何とかそれからの回復を願うようだ。果たしてそれが実現したのかどうか。
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主な俳優は主人公コーエンにクリストフ・ヴァルツ、撮影当時57歳、初めて。相手役の女優にメラニー・ティエリー、撮影当時31歳、初めて。まだ観てないが[海の上のピアニスト](1998)でいずれ。
ともかく極彩色で、超モダンな未来社会的な雰囲気もあれば、主人公の住む荒れ果てた元教会には、ネズミが跋扈しており、鳩も舞い込んでくるありさまだ。
未来社会を描く作品の常として、冷涼感のある非人間的な構造物が多いのだが、ここではそれらが混ざっている。つまり貧困層は未来社会においても劣悪な環境に住まざるを得ないということ。それほど貧富の差はひどくなっていることを予期・象徴させるものだろう。
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