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【こんな映画でした】737.[ヘルプ 心がつなぐストーリー]
2022年12月17日 (土曜) [ヘルプ 心がつなぐストーリー](2011年 THE HELP アメリカ 146分)
テイト・テイラー監督作品。初めてだが、俳優としては[ウィンターズ・ボーン](2010)で観ているようだ。原題の意味は、字幕では「お手伝い」としていたが、要するに「従業員、雇人」。メイドとして働く黒人女性を主人公に描いたもの。
狂言回しは、エマ・ストーン(撮影当時22歳、2009年の[ゾンビランド]で観ている)演じるスキータ。もてない独身女性が、一念発起してなりたかったライターへの道を歩むプロセスでもある。彼女の最初の本となるのが、この原題の「THE HELP」。単なる雇い人というよりは、もっとその働く家の家族との接触が深く濃いものがあるようだ。
スキータ自身も小さい頃からそのよう黒人メイドのコンスタンティンに世話になってきている。母親代わりとして。そのメイドがスキータが不在の間にクビにされてしまったことが、彼女がこの黒人メイドの深刻な問題に携わる切っ掛けとなっているようだ。
具体的には黒人メイドたちに話を聞いて、彼女たちの体験を手記として代筆していくことになる。なかなか協力者を得られず苦労する。時は1963年、ミシシッピ州ジャクソンという黒人差別の厳しいところである。下手なことを話せば、命に関わるわけだ。少なくとも職を奪われたりする可能性が大きい。
そんな中で指環を盗んだということで一人の黒人メイドが逮捕される。それを切っ掛けに何人もの黒人メイドたちがスキータに協力することに。それでも大変な恐怖を感じながらで難航しながら、ついに完成へ。
ラストシーンはエイビリーンがクビになりその家から立ち去って向こうの方へ歩いて行くシーンであった。ハッピーエンドとはいかない厳しい現実がこれからも続いていくのだろう。
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メイキングによると、監督も原作の小説家もともにミシシッピ州の出身であった。監督は実際に母との子のシングルマザーの家庭だったが、そこで黒人メイドに育てられた経験を持つとのこと。そのような背景があって作ることができたのだろう。
なお出版社の編集者に、メアリー・スティーンバーゲンが出ていた。先日観たばかりの[もう一つのアンネの日記](1988)から23年後ということになる。