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週刊!転地療養ノススメ:赤穂編

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色々あった「ホーム」レス作業療法士のただのたわごとのような私小説です.生きていることにどんずまりな人にちょっとでも役に立てれば幸いです.もちろん全てがフィクションです。転地療養、…
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2022年7月の記事一覧

僕たちはアルバイト

僕たちはアルバイト

そんな歌詞を高らかに歌い上げる曲があった。今日はアルバイトの話をしよう。
そう、私は38歳で無職になっていた。転地療養中の妻は、職場の事務仕事をリモートワークでこなしていたが、そこまでまとまった収入になるわけではない。
失業保険が入るにしてもハローワークに通いだし数ヶ月後のことである。貯金を切り崩して生活せざるをえないことは覚悟していたこととはいえ、目に見えて数字が減っていくことは私にとっても妻に

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リセットマイライフ①図書館での日々

リセットマイライフ①図書館での日々

無事、仕事を辞め、私は赤穂に引っ越していた。長年暮らしていた京都を離れさまざまなものを精算し久しぶりに無職となり、清々しい気持ちだった。このような心境を表すための言葉として、リセマラという言葉が適しているのかもしれない。私はほとんどやったことがないがスマホゲームでリセマラ(リセットマラソン)という言葉があるらしいが、私たちの場合はリセットマイライフとでも言えるのではないだろうか!?
まぁそんなこと

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タンタンとの出会い

タンタンとの出会い

京-都アパートメント 仕事を辞め赤穂への転居を決めた時、私たちが立てた次なる目標は「フランスへ行く」だった。そこにはかなり大きなジャンプがあるのは自分でもわかっている。だけど、望ましい事態ではないにせよ、せっかく仕事を辞めて社会人としての道を外れるのだから、それくらいジャンプしないと勿体ないと思った。フランス人の友人、タンタンに相談すると「奨学金に応募すればいい。それに必要な協力はなんでもする!」

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さよならの季節、哲学

さよならの季節、哲学

さて今日は、前回の流れから必然的に「自分語り」にならざるを得ない。それは非常に抵抗もあると同時に甘い蜜でもあるわけで。「何を今さら」という声が聞こえてきそうだが躊躇がないというと嘘になってしまう。少し昔話をしたい。あんまり面白い話ではないので今日の分も読まなくてもいいかもしれない。けどいつも読んでくれてる人ありがとう。

二度にわたる哲学との離別 私は大学のときに哲学を学んでいた。しかし当時の私か

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