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「私はここにいていい」デミ・ムーアのスピーチに感動
ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で、映画『The Substance』のエリザベス・スパークル役として主演女優賞を受賞した、デミ・ムーア。SNSで流れてきた彼女の、そのときのスピーチが素晴らしかったので、紹介したいと思います。
デミ・ムーア
その前に、彼女を知らない人に簡単な略歴を。
デミといえば、90年代に『ゴースト/ニューヨークの幻』の映画で一世風靡した美しい女優。私はリアル世代なんですが、あまりに有名すぎるハリウッド映画や歌に辟易して、個人的は苦手でした。映画も一切見ていません。
でも、常にゴシップをにぎわせているので、近況だけは目に入ってきていたんです。
ブルース・ウィルスの元妻。悲しいことに、彼は離婚後にアルツハイマーになってしまいましたが、子供たちを含めて今も友好的な関係を続けているようです。デミは15歳年下のアシュトン・カッチャーと結婚して、彼の浮気がもとでまた離婚。近年は整形が失敗しただの何だのと、気の毒なくらいにゴシップ誌をにぎわせていました。(その部分はちゃんと修正したのか、今はまた、とても美しい!)
とはいえ、年齢が近いこともあり、そういう叩き方をされている彼女に親近感も沸いていました。パワフルな人生を送っている彼女には、これまた勝手に敬意と好感を持ち始めていたんです。
『The Substance』(邦題は分かりません)は見ていないんですが、昨晩のゴールデングローブで見事に受賞した彼女のスピーチに心を揺さぶられました。
以下が、その和訳です。
私はもう長い間この仕事をしてきました。45年以上です。
そして、これが俳優として初めて受賞する賞なんです。本当に謙虚な気持ちで、心から感謝しています。
30年前、あるプロデューサーに『君はポップコーン女優だ』と言われました。その時、私はそれを『私にはこういう賞をもらう資格がない』という意味だと解釈しました。成功してお金を稼ぐ映画には出演できても、評価されることはできない、と。そして私はその言葉を信じ込みました。それが私の中で徐々に腐食していき、数年前には『これで終わりかもしれない』『自分の役目はこれで終わったのかもしれない』と考えるようになりました。
そんな低迷していた時期に、奇跡のような、大胆で、勇気にあふれ、型破りで、全くクレイジーな脚本が私のもとに届きました。それが『The Substance』でした。そして、宇宙が私に言ったのです。『あなたはまだ終わっていない』と。
コラリー、私にこの役を託してくれて本当に感謝しています。この女性を演じさせてくれてありがとう。そして、もう一人の私でいてくれたマーガレットにも感謝しています。彼女がいなければできなかった。ずっと私を支え、信じ続けてくれた人々に感謝しています。ケビン・ヒューヴェイン、ジェイソン・ワインバーグ、CAAやアンタイトルドの皆さん、私が自分を信じられなかったときでも、私を信じてくれたすべての人々に。
最後に、この映画が伝えたいことをお伝えしたいと思います。私たちが、自分は十分に賢くない、美しくない、痩せていない、成功していない、要するに十分ではない、と思う瞬間があるとき、ある女性が私にこう言いました。『あなたは決して「十分」にはならないけれど、もしその「測り棒」を手放すことができたら、自分の価値を知ることができる』と。
だから今日、この受賞を、私の完全性を示すしるし、そして私を突き動かしている愛を示すものとして祝福します。そして、私はこの仕事が大好きだということ、そして『私はここにいていい』と思い出させてくれたことに感謝します。本当にありがとうございます。」
ハリウッドのトップスターであり、数々のヒット作を生み出してきたデミ・ムーア。彼女は女優としてだけでなく、家族関係においても多くの成功を収めています。母親として3人の娘を育て、複雑な家族の中でも調和を保ちながら歩んできました。
とはいえ、商業的には成功しても、真に評価される存在ではないと感じていた彼女。それが、数十年にわたり彼女を苦しめる原因になっていたなんて、誰が想像できたでしょう。
自分のキャリアがもう終わったのではないか、自分はここにいるべきではないのではないか、という思いに囚われた時期もあったのです。俳優たちのそういう苦しみは、世間には伝わらないものですよね。
デミ・ムーアのように世界的な成功を収めている人でさえ、自分に価値がないと感じることがある。それを知ると、私たち「普通」に生きている人々が自信を失ってしまうのも無理はないと思いませんか?
私たちの多くが「自分は十分ではない」と感じる瞬間があります。仕事や家庭、友人関係の中で「自分には価値がない」「認められていない」と思い込んでしまうこと。誰かの心ない言葉によって、そう確信してしまうことも。
そんな感情を抱えてしまうのは、人としてごく自然なことなのかもしれませんね。
私たちは彼女が言うように、日々、他人や社会が定めた「測り棒」で自分を評価し、それに達していないと感じてしまいます。しかし、その「測り棒」を手放し、自分自身をそのまま受け入れることができたとき、本当の意味で自分の価値に気づくことができるのです。
自分を受け入れるということ
デミ・ムーアの言葉は、私たちに大切な気づきを与えてくれました。だからこそ、SNSでシェアされまくっている。
成功や評価だけで自分の価値を測るのではなく、ありのままの自分を受け入れること。それが、自分の居場所を感じられる一歩なのかもしれません。
どんなに成功している人でも、自信を失うことはあります。それでも、新たな一歩を踏み出すことができるのです。
60代の美しい彼女が教えてくれたことでした。
簡単なあらすじ
『The Substance』は、2024年公開のフランス人監督コラリー・ファルジャによるボディ・ホラー映画です。元トップ女優のエリザベス(デミ・ムーア)は、50歳を超え容姿の衰えと、それによる仕事の減少から、再生医療の新技術に手を出します。この技術により、彼女は若く美しい自分のクローンであるスー(マーガレット・クアリー)を生み出し、7日ごとに交代で生活を送ることになります。しかし、スーが交代の期限を守らずエリザベスの人生を乗っ取ろうとすることで、二人の間に深刻な対立が生じ、物語は予想外の展開を迎えます。
この作品は、社会の若さと美への執着、特にハリウッドにおける年齢差別や女性の扱いに対する批判を含んでいるとのこと。
見てみたくなりました。
彼女は超適役ですよね!
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