[Week 0] 6月20日~26日
前回の投稿で確定した病名をお伝えしているが、猫専門病院に初めてかかったこの日、病名はまだ未定の状態だった。
しかし上半身のほぼ全体を覆う腫瘍が気道と食道を圧迫し、食事は取れず呼吸すらままならい状態。解消するには腫瘍をなるべく早急に小さくする必要があり、抗癌剤の点滴と毎日の経口投与を提案された。
抗癌剤ーこの言葉に躊躇しない人はいないと思う。
私は10数年前に極初期の子宮頸がんを罹患し摘出手術を受けていたのだが、その時入院したのが所謂癌病棟だった。同室になった方はとても気さくで明るく、楽しい人だったけれど、抗癌剤を投与された日はベッドから起き上がる事も話す事も出来ずにひたすら吐き続けていた。
その彼女の姿が思い出され、先生に副作用はと尋ねた。
「無いとは言えません。ですが今の状態もこの子にはかなり苦しい状態なんです」
確かにその通りだった。押し潰された肺、食道、脇腹辺りまで歪に移動させられている心臓・・・こんな状態でいる方がよっぽど辛いはず。
「それに、抗癌剤が効いて一時的にでもとても元気になる子もいますから。絶対とは言えませんが、回復してくる子もいます」
ー 回復する子もいる
その言葉を噛み締め、抗癌剤の投与をお願いした。
6月20日 体重:3.8kg
処置:L-アスパラギナーゼ 400U/kg 皮下点滴
投薬:プレドニゾロン 1.5錠 7日分
食事:ヒルズ プリスクリプション・ダイエット(特別療法食)〈犬猫用〉 a/d エーディー チキン 缶詰 1缶/日
点滴をしているのでこの日の投薬は無し。投薬が効いているのか、少し楽そうな様子。夜に少しチュールを食べる。
先生から毎日1缶は必ず無理やり(強制給餌)にでも食べさせるようにと指示される。
上司にすぐ連絡し、在宅ワークを増やす事を承認してもらう。
6月21日
朝起きてリビングに行くとぐったりとしたこぱんの姿。胸元はヨダレでダラダラになり、恐らく副作用で吐きたいけれど胸の腫瘍に圧迫されて吐く事も出来ない状態。吐く仕草はするけれど何も出さないという姿を実は数週間前から何度か目にしていたもので、この状況が腫瘍によるものだとやっと理解した。
この日は日曜日だったが、翌日からの在宅ワークに備えやり残した仕事をしに出社。その後のケアを同居人にお願いし後ろ髪を引かれつつ仕事へ。
夜遅くに帰宅。同居人に様子を聞くと「普通に自分からご飯食べてる」との事。強制給餌もせず、喜んで食べている。
早速抗癌剤の効果が出ているのか?詳細は判らないが、食欲が出てきた事は本当に何よりも嬉しかった。
6月22日~26日
抗癌剤点滴当初、強制給餌も辞さない覚悟だったけど、毎日とってもガツガツ食べてくれて投薬の時に暴れるだけ。抗癌剤はかなり苦いらしく食事に混ぜても残して食べないそうなので、Youtubeで見たシリンジの先端を落として、ご飯の間に混ぜポンとまとめて口に放り込む方法を選択。
しかしこれがまぁ暴れる暴れる…同居人と二人がかりで二人とも引っ掻かれるわ、餌塗れになるわ散々な惨状だったけれど、何とか薬を飲ませる事には成功を収める。
しかし食事が出来るようになってから水のような下痢が。抗癌剤の副作用かと思いつつ1日1缶どころか1.5缶ほど食べているので、こまめにトイレを掃除する。
こうして最初の1週間は過ぎた。
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