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シネマちっく天国

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南伊豆好きの中年ポップスおたくが垣間見た映画の隙間
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2014年10月の記事一覧

原作と映像の関係を考えさせられた『疑惑』

 映画と原作の関係を考えさせられることがある。  推理作家、夏樹静子さんの『Wの悲劇』を原作にした同名の映画は、内容が原作と全く異なることはよく知られている話だ。  嵐の山荘で起こった悲劇の物語の脚本化を依頼された荒井晴彦さんが、そのままの脚本化を拒否。あくまで劇中劇として扱うことを条件に、脚本化を引き受けたそうな。  薬師丸ひろ子さんが映画中で、主役を務める芝居が夏樹静子さんの『Wの悲劇』。映画の内容は荒井晴彦さんのオリジナルなわけだ。  東野圭吾さんの大傑作『白夜行』

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『いまを生きる』から想像もできないストーカー映画『恐怖の訪問者』

 ストーカーへの嫌悪や不安を描いた映画と言えば、例えばスティーブン・スピルバーグの『激突!』がある。  たまたま追い越したトラックに執拗に追いかけられる中年男の不安と恐怖だけで、約1時間半を見せてしまう。  観た人は分かる通り、あらすじというほどのものもない。単なる親父とトラックの追いかけっこだ。でも最後まで運転手が姿を見せないトラックの不気味さは忘れがたい。  たまたま拾ったヒッチハイカーに、これまた執拗に追いかけられる映画『ヒッチャー』も、こうしたストーカーを描いた

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