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南伊豆を愛するポップスおたく

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  • シネマちっく天国

    南伊豆好きの中年ポップスおたくが垣間見た映画の隙間

  • ハードボイルドな中華

    通りかかって吸い込まれた町の中華料理店。 その数々の店と料理の記憶です。

  • 罪と罰日記

    フュードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキーの「罪と罰」を読む度に感想を書いた日記(2008年に書いたものです)

  • 出張メシ

    出張時に食らった全国のメシの数々

  • 日本アルバイト紀行

    知らぬ地で、人と出会い、報酬を得る、アルバイトという名の旅の記録

最近の記事

「人間狩り」の理由が欲しかった詐欺師の薄笑いが見える、「地面師たち」

ネタバレありです、要注意。  途中で気付いたのですが、裏テーマは「人間狩り」だったのかと。いやメインかも。  ネットフリックスのオリジナルドラマ「地面師たち」は、所有者になりすまして土地を売る詐欺師「地面師」を描いてるんですが。  詐欺を描いている割に人が死にすぎる。血が流れ、死体が映りすぎる。  と、まあそこも話題になっていまして。  でも、そりゃあ血や死体を映すだろうと。  だって、人間狩りを描いているんだもの。  豊川悦司演じる地面師のリーダーは、現場の仕事を手

    • 【幻】東京・代田橋「新京」のラーメン420円、餃子250円(2006年7月)

      小田急線代田橋駅にやや近いさびれた商店街の一画に、新京はあった。   一度通り過ぎた。でも気になった。  木造モルタルの薄汚れた外観。  日に焼けたビニールテントに雨だれが残した汚れ。  頭3桁の電話番号と割れた看板。木のサッシ。  そんな横顔が忘れられず、通り過ぎた後引き返し、暖簾をくぐった。  おっさんばっか。新聞片手に炒飯を頬張るじいさん。  黙々とラーメンをすするおっさん。  奥のテーブルには、「だからさ、しのちゃんは言ってやんなきゃわかんないのよ」とくだを巻いて

      • 【幻】元祖ハードボイルドな中華、北新宿「広楽」の餃子250円、ラーメン400円(06年07月31日)

        2006年07月31日にmixiに書いた日記を再録。 個人的には町中華(当時は「町の中華」とか「大衆中華」などと表記してました)の虜になったきっかけのお店です。残念ながら現在は幻に。  相方がつくった心地よい朝食の後、ストレッチも済ませ、『ナボコフ自伝』に目を通した僕は、自転車で高円寺まで走り、その帰り道、北新宿の中華料理屋、「広楽」の暖簾をくぐった。  果たしてここはハードボイルドか?  そもそも店構えがすさまじい。  暖簾がかかっていても、それを感じさせないほどの存

        • 絶頂は1度でいい、ちょっと長すぎた「トップガン マーヴェリック」

           「ちょっと長すぎ」  「面白かった」という感想の後に、こう付け足したくなった映画としては、「ダークナイト」と双璧かも。  映画「トップガン マーヴェリック」。物語は50代の中年おやぢの心を鷲掴みですよ。全盛期を過ぎた空軍パイロットが、現場から離れず後継に自らの知恵や技を継承させる。あきらめず現役として継続する、言うなれば三浦知良的生き方を貫く者の尊厳を描いているわけで。  天才という強者を主役に据えながら、老たる者、衰えし人という弱者の立ち位置を与えて見る者の共感を得る

        「人間狩り」の理由が欲しかった詐欺師の薄笑いが見える、「地面師たち」

        • 【幻】東京・代田橋「新京」のラーメン420円、餃子250円(2006年7月)

        • 【幻】元祖ハードボイルドな中華、北新宿「広楽」の餃子250円、ラーメン400円(06年07月31日)

        • 絶頂は1度でいい、ちょっと長すぎた「トップガン マーヴェリック」

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        記事

          君は愛した人に銃を向けられるか、昭和のハードボイルド「赤いハンカチ」

           Prime Videoで古い邦画を見るのにハマっちゃってるんですが、この「赤いハンカチ」はトップクラスで「すげえ」かな、と。  「ルパンIII世」ファーストシーズンの初回3回分が好きな人は必見では。いきなり狭いですけど。  ネタバレ有りなんで要注意です。  まず何より桝田利雄監督のシャープな演出。そして、ミステリーがやや甘いとはいえ(だからこそ)ハードボイルドな脚本。愛くるしすぎる浅丘ルリ子の演技に参ります。  冒頭、石原裕次郎と二谷英明が演じるコンビ刑事が、麻薬の売

          君は愛した人に銃を向けられるか、昭和のハードボイルド「赤いハンカチ」

          「最終章」でも感じたコントラストの弱さ、「ゴッドファーザー(最終章)」

           「ゴッドファーザーPartIII」を観た時、「画面が明るい。赤い」と思ったわけです。  「ゴッドファーザー」も「ゴッドファーザーPartII」も暗くて青い。どちらも逆光の場面が多く、特に「ゴッドファーザーPartII」なんぞは撮影ミスじゃないかと思うくらい暗かった記憶が。  Prime Videoで「ゴッドファーザーPartIII」のいわゆるディレクターズカット「ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期 」を観て、改めて「明るい」と感じました。  陰影

          「最終章」でも感じたコントラストの弱さ、「ゴッドファーザー(最終章)」

          東京・太田区「タイガー」の野菜炒め550円(2024年7月)

           川崎市鶴見にある「タイガー」とは親戚とか。中華料理店としてはかなり特殊な屋号なので、何らつながりがないとは思えなかったのですが、やはり。  なんでも初代のおじいちゃんの名前に「虎」の字があったから付けた名だとか。中華にタイガー。おじいちゃん、なかなかのハイセンスだったようで。  駅からも遠く人通りも少なく、かつては店舗が立ち並んでいたろうと思われるさびれた商店街の一角にある。この佇まいだけで文句なしでしょ。  見知らぬ町でたまたま通りかかった中華に吸い込まれ、常連さん

          東京・太田区「タイガー」の野菜炒め550円(2024年7月)

          友和、あなたがそこにいればいい、「ケイコ 目を澄ませて」

           三浦友和の演技から目が離せませんでした。映画「ケイコ 目を澄ませて」。  同様の経験はテレビドラマ「世界の中心で愛を叫ぶ」でも味わったんですが、「ケイコ」も三浦友和の演技が見られるだけで大満足っていう映画かと。  聴覚障害で両耳が聞こえない女性ボクサーを演じた岸井ゆきのの演技もびっくりですよ。音が聞こえないのにここまで繊細な演技ができるのかと。  ところが三浦友和が画面に映るともうダメ。友和か友和以外か。友和に見入ってしまう。友和、あなたがそこにいればいい。  潰れ

          友和、あなたがそこにいればいい、「ケイコ 目を澄ませて」

          普通に生きてもいいとバラしてしまった「すばらしき世界」

          時代の変化をこれほど痛切に感じたのは久しぶりかもしれません。 映画「すばらしき世界」。 地味な映画でしたが、受けた衝撃は決して小さくありませんでした。 なぜって「ヤクザが普通に、平凡に生きるのを選ぶ」映画だったからです。 個人的にはヤクザ映画=任侠映画といえば、「かたぎじゃいられない美学」を描いているという印象を持ってまして。 ささやかな幸福をつかむために、平凡で普通なカタギの世界に居場所を見つけるよりも、情を重んじ波風吹き荒れる波乱万丈な暮らしを生きてこその人生だと。

          普通に生きてもいいとバラしてしまった「すばらしき世界」

          寅さんの「最高のふられ方」を見るべし、「男はつらいよ 寅次郎恋歌」

           「男はつらいよ」シリーズには毎回のお約束というかお作法がありまして。 そこが見どころになってるわけです。  それこそ「水戸黄門」における印籠みたいなもので。  主人公の寅さんが妹さくらや叔父叔母のいる団子屋の敷居のくぐり方。  団子屋に隣接する印刷工場の通称「たこ社長」が団子屋に入ってくる時の間の外し方。  おいちゃんやたこ社長と寅さんの喧嘩のし方。  毎回、このお約束を楽しみにしてるわけです。  そして何よりも寅さんのふられ方。  寅さんシリーズには毎回必ず寅さんが

          寅さんの「最高のふられ方」を見るべし、「男はつらいよ 寅次郎恋歌」

          「予期せぬ訪問の決まり悪さ」を描いていたポランスキー監督の「水の中のナイフ」

           なるほど、「予期せぬ訪問の決まり悪さ」を描いていたのか――。 ロマン・ポランスキー監督の処女作「水の中のナイフ」(1962年公開)を見てそう思ったわけです。  ずっと「間借り人の居心地悪さ」を描くのがポランスキー監督の特徴だと思っていたわけです。  アカデミー監督賞など3部門を受賞した「戦場のピアニスト」もそう。オカルト映画に分類される「ローズマリーの赤ちゃん」も、カトリーヌ・ドヌーブ主演の「反撥」も、ポランスキー自身が主演した「テナント」もそう。「ここにいるべきでない人

          「予期せぬ訪問の決まり悪さ」を描いていたポランスキー監督の「水の中のナイフ」

          【幻】東京・新中野「北京」の全ての料理

          町中華の記録をnoteで公開し始めて今回で100回目。 やはりここはもう一度、東京・新中野の「北京」を振り返っておきたくて。 このお店には、個人的には「町中華に望む全て」があったわけです。 その控えめなたたずまい。 人通りの少ない道路に面した立地。 価格の安さ。 メニューの豊富さ。 独自のメニュー。 前を通りかかったら吸い込まれてきちんとうまい中華を食べられた。 こんな幸福を味合わせてくれました。 東京・白金高輪「利華」(残念ながらこちらも閉店)と並んで、通った中華で

          【幻】東京・新中野「北京」の全ての料理

          【幻】東京・有楽町「味の店 新角」のコロッケラーメン500円(2005年)

          有楽町は何でも高いけど、安い店もたくさんあったわけで。 高架下にあった「味の店 新角」はそんな店の1つでした。 勝手に「穴蔵立ち食い蕎麦屋」と呼んでまして。 そこで毎回注文していたのがコロッケラーメン500円。 衣がラーメンスープを吸い込んだコロッケが別物になってまして。 蜜の味がするコロッケをいただきたくてコロッケラーメンを注文していた気も。 そういえばこういう味のある立ち食い蕎麦店が駆逐されてますね。 もう行けません。

          【幻】東京・有楽町「味の店 新角」のコロッケラーメン500円(2005年)

          東京・押上「友楽菜館」の豚肉と卵の炒めもの定食650円(2005年)

          mixiの日記をたどってみると、入ったことさえ覚えていないお店について書いてたりしまして。 仕事で五香へ行った帰りに、北総電車で押上に出てこの「友楽菜館」に入ったようなのです。 そこで昼食。豚肉と卵の炒めもの定食(650円)を食べたとか。 「畳の座敷席しかない珍しい中華料理屋で、おかみさんがやたら客と喋っていた。 近所の常連さんばっかなんだろうな」 と感じたようです。 Webで調べたところご健在のようで。 豚肉と卵の炒めもの定食は現在(2023年10月)、750円と1

          東京・押上「友楽菜館」の豚肉と卵の炒めもの定食650円(2005年)

          東京・練馬「多来福」の塩バター浅利ラーメン950円と餃子480円

          貝と中華スープの相性はばっちしなわけで。 時々、はまぐりスープを売りにしているラーメン店があったりしますが。 そこまで贅沢でなくても浅利で十分かな、と。 麻布十番「福琳」の浅利と酸白菜と豚肉の湯麺は大好物でして。 酸白菜の酸味と浅利の旨みがベストマッチ。 毎日だって食べられるんじゃないでしょうか、あれなら。 東京・練馬「多来福」の塩バター浅利ラーメン950円は、浅利にバターという組み合わせできました。 具材は浅利と白髪ネギだけとシンプル。 バターとの組み合わせは旨みが強す

          東京・練馬「多来福」の塩バター浅利ラーメン950円と餃子480円

          東京・氷川台「栃尾」のイカ下足揚げ320円、野菜炒め400円、ニンニクラーメン630円

          中華は飲み屋でもありまして。 もつ煮やポテトフライを出す店もたまにあったりします。 東京・氷川台の「栃尾」はイカ下足揚げを320円で出してくれてたわけです。 しかも大ぶりの下足が山盛りです。 マヨネーズが添えられてるあたり、わかってらっしゃる。 その他、コロッケやアジフライもあるってことは定食屋でもあるわけで。 ほんと、こういう店はありがたいし、嬉しい。 さすがにイカ下足だけじゃ不健康かと思い、野菜炒め400円を注文。 ここで餃子は鬼門でして。 カロリー取りすぎ。この後

          東京・氷川台「栃尾」のイカ下足揚げ320円、野菜炒め400円、ニンニクラーメン630円