【僕のパートナーは過去生が視える。】
と人に紹介するのも最近ずいぶんと慣れてきた。
大概ポカンとされるのだが、案外みんなとりあえず興味深そうに聞いてくれる。
異世界転生のアニメが流行ったり、君の名はみたいな映画もたくさんでてきた結果、社会の受け皿が広がったのか、そもそも自分が慣れただけなのかはわからないが、慣れた。
もちろん誰にも彼にも話しているわけではないが、いつも座っている雑貨屋のレジの上に「直観リーディングセッション ¥11000-/回」と書いてあるのだから仕方ない。(もちろん聞かれるために書いている。笑)
その時決まって話すのは、自分の過去生のことだ。
とある時にあっこから「ひろき、絵を描いてみなよ」と言われ仰天したことから始まる。音楽と芸術は女子がやるものだと言って小さい頃から外で球を蹴っていた僕にはこれっぽっちも縁がないと思っていたから。
あれやこれやあって、今では絵を描いては雑貨屋の壁で毎週末小さく個展(という名の販売)を開催している。
どうやら僕の魂は過去にも絵を描いていたことがあったのだという。もちろん今ほど豊かな時代ではないため、画材を得るのも大変だった。そんな世界に生きていた僕の過去生は生活していくためにパトロンを得た。
住み込みで働かせてもらいながら絵を描いた。
食べるものも寝る場所もあって生活には困らない。画材も潤沢に与えられる環境は物質的に何不自由なかった。
しかし、もちろん描くのはそのパトロンのためだ。
そのパトロンに注文されたものや、期待に応える絵を描いた。
それを続ける人生の中で、とある思いが生まれた。もっと広い世界をみてみたくなったのだ。いろんな景色や価値観に触れ、発想や刺激を得たかった。誰に何を指示されるでもなく、自分の心のままに筆を動かしたくなったのだ。
そんな思いはさておき、なんとも面白いことにそのパトロンの魂をもつのが、現在の父だった。笑
自分が今世生まれてからこのかた父との間にあった関係に当てはまりすぎて涙も止まり、笑いがこみ上げた。。。
結局、その当時の僕の過去生は外の世界に出て自立して生きていく勇気もなく、何かを物申すこともなく、その環境に身をおいたまま死んでいったという。きっとその経験によっぽど後悔していたから、今世は家を飛び出したんだろう。
どうしようもない自分の衝動の理由がわかって、ものすごくほっとしたことを思い出す。同時に、自分が絵を描く理由や人に伝えたいこと、もっともっと自分らしさを発揮していきたいと想い願っている根元のようなものに触れてエネルギーが湧いてきた。
もちろんあっこの口から出てくる僕の過去生に関する情報の真偽を確かめる方法はない。ただ、なぜか自分の中でものすごく腑に落ちて生きる気力が漲ってくるというだけだ。
なかなか目に見えるなにかを信じるというのは易いことでもないのかもしれないけれど、よりおおくの人が今より深い自己理解を得るきっかけになったら嬉しいなと思う。
現在は、金曜と日曜を中心に鑑定の依頼を受け付けている。
何かに迷っていたり、なんだか落ち込んでいたり、うまくいかなかったり、理由はなんでもいいけど、もっともっと満足いく人生を歩みたい人の元に届きますように。
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